【音楽ガチ分析】菅野よう子『創聖のアクエリオン』 ~ キャッチーさの論理。時代を超えて愛される理由

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  • Опубликовано: 28 июл 2023
  • 作曲家のトイドラが、菅野よう子の『創聖のアクエリオン』を分析します。
    質問・意見はコメントにて。
    2:24 分析はじめ
    ☆楽譜の動画→ • 【耳コピ楽譜】菅野よう子『創聖のアクエリオン』
    〈菅野よう子〉
    主にアニソンやゲーム音楽で有名を馳せた、日本屈指の商業作曲家。
    幼少期から天才的な才能を発揮しており、そのキャリアは輝かしい。
    大河ドラマの劇伴や天皇奉祝曲なども作っており、活動の幅は非常に広い。
    〈総評〉
    【楽式】
    ・典型的な「Aメロ-Bメロ-サビ」。
     →サビでいきなり全音上に転調して盛り上がる。
    【リズム】
    ・Bメロ以降、表打ちが目立つハッキリしたリズムに。
     →特にサビが顕著。地に足ついた勇壮な感じ。行進曲のニュアンス?
    ・冒頭だけなぜかフラメンコ調。
     →菅野よう子の引き出しの多さ。
    【メロディ・和声】 
    ・メロディがフレーズ終わりに高次のテンション(9th・11th)へ到達することが多い。
     →瀟洒で浮いた感じ。菅野よう子の特徴。
     →Aメロ冒頭、Bメロ全体など。
    ・VIM7の響きが効果的に使われ、軸となっている。
     →特に「Im - Im7/VII - VIM7」というクリシェ。
     →「VIM7 - III/V」というクリシェも印象的。
    ・コード進行が保続音を軸に考えられている。
     →伸ばしっぱなしの弦の下でベースラインだけ動くなど。
     →シンプルなコード進行でも、テンションや非和声音が多くなり響きがおもしろくなる。
    ・コード楽器とメロディ楽器にそれぞれ個別の動きをさせる。
     →コード楽器はテンションを鳴らさずアルペジオでのみ鳴らす、コード楽器とメロディ楽器で和音が異なる、など。
     →和音の響きは濁らせず、メロディラインのうまみも妥協しない。良いとこどり。
    ・ただの完全4度(空虚4度?)が使われている。
     →ふつうは全く使われない和音!
     →多義的な解釈が可能で浮いた響き。
    ・肝心なシーンで意外な和音を使う。
     →前奏の果敢な2転、Bメロ前やサビ終わりの和音、サビ直前の転調誘導など。
    【表現】
    ・メリハリのつけ方がとても巧妙。
     →曲調がいきなり変わる。
     →サビや間奏でいきなり転調する。
     →弦が伸ばし続けていると思ったら突然細かく動く。
     →クリシェを基本とした簡単なコード進行かと思ったら、キメで複雑なコードが一瞬出てくる。
     ☆常に予想を裏切ることで飽きさせない。ポップスの基本。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    作曲家のトイドラ → tomita-haruki.studio.site/
    #菅野よう子
    #創聖のアクエリオン
    #音楽理論
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Комментарии • 15

  • @progretaokey3518
    @progretaokey3518 7 месяцев назад +1

    こんな分析待ってました、他にも変拍子も😊
    早速登録しました

    • @toydora_music
      @toydora_music  7 месяцев назад

      そう言っていただけて嬉しいです!
      チャンネル登録ありがとうございます。

  • @wajura.anna.
    @wajura.anna. 7 месяцев назад +5

    お金払って聞く講義レベルだ! 勉強になります。ありがとうございます!

    • @toydora_music
      @toydora_music  7 месяцев назад +1

      そう言っていただけるとモチベーションになります!
      動画見ていただきありがとうございます。

  • @user-on8ee2wj5j
    @user-on8ee2wj5j 10 месяцев назад +7

    サビ前のコードは多分ボーカルが音をとりやすくするため先取りしてる

    • @toydora_music
      @toydora_music  9 месяцев назад +4

      なるほど、その可能性はありますね!
      転調に先駆けて和音を先取りすることで、確かにヴォーカルが歌いやすくなるし音楽的にも安定している気がします。

  • @YANAGITAtokinori
    @YANAGITAtokinori 3 месяца назад

    11:02 ドリア旋法とする説明が興味深かったです。

  • @Karius09R2
    @Karius09R2 2 месяца назад +2

    音楽理論素人の僕にも分かりやすく、それでいて見応え・聴き応えのある解説ありがとうございました!
    澤野弘之「UNICORN」、ラスマス・フェイバー「Hear the Universe」の解説も是非お願いしたいです…!

    • @toydora_music
      @toydora_music  2 месяца назад +1

      そう言っていただけて嬉しいです!
      「UNICORN」懐かしいです、昔聞いていました。
      「Hear the Universe」も、どこか菅野よう子を意識していそうなひねられたコード進行が心地いいですね。
      面白い曲を教えていただきありがとうございます。

  • @kurimanintokyo3934
    @kurimanintokyo3934 6 месяцев назад

    『突然荒ぶる菅野よう子』と覚えてしまいました。笑
    興味深い内容でした✨

    • @toydora_music
      @toydora_music  6 месяцев назад +1

      そう言っていただけて嬉しいです!
      動画見ていただきありがとうございます。

  • @ImYakisoba
    @ImYakisoba 2 месяца назад +2

    MISIAのEverything解説してほしいなー

    • @toydora_music
      @toydora_music  2 месяца назад +2

      MISIAはコード進行がとんでもないですよね。
      いずれ手を出したいと思っています。

  • @user-nk4cb4ef8v
    @user-nk4cb4ef8v 5 месяцев назад

    参考になりました ありがとうございます

  • @namesame8993
    @namesame8993 3 месяца назад

    麻枝准の曲も似たような曲調