第十六回 聲明の夕べ 『五会念佛略法事儀讃』

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  • Опубликовано: 24 сен 2024
  • 法 要:第十六回 聲明の夕べ 『五会念佛略法事儀讃』
    日 時:2020(令和2)年1月25日(土)
    『五会念佛略法事儀讃』とは、中国の高僧で後善導と呼ばれた法照が創作した、五種の音曲念佛を中心に構成された儀礼です。766年4月、法照は常行三昧中に『無量寿経』に説かれる極楽浄土にある七宝の樹々が出す妙音、「清風、時に発りて五つの音声を出す。微妙にして宮商、自然にあひ和す」を目の当たりにしました。その「五つの音声」もとに法照が創作した五種の旋律の念佛が「五会念佛」です。さらに、善導大師の『法事讃』をもとにその「五会念佛」を法事として仕立てたものが『五会念佛略法事儀讃』であります。そこには、その「五会念佛」について「第一会 平聲緩念 南無阿彌陀佛」「第二会 平上聲緩念 南無阿彌陀佛」「第三会 非緩非急念 南無阿彌陀佛」「第四会 漸急念 南無阿彌陀佛」「第五会 四字転急念 阿彌陀佛」と示されます。しかし、残念ながらそれが具体的にはどのような旋律を持った念佛であるかは不明なのです。
     さて、この『五会念佛略法事儀讃』は、慈覚大師円仁(天台宗)が唐より日本へ持ち帰ったことは確かなことなのですが、それを比叡山で修した記録には「五会念佛」ではなく「五台山の念佛」と記され、「五会念佛」と「五台山の念佛」との差異が見られるのです。以降の日本浄土教儀礼では、その「五台山の念佛」は「不断念佛(引声作法)」として歴史上に名を残し、「五会念佛」はほとんど姿をあらわしません。このように謎の多い「五会念佛」なのですが、その歴史の中で正式な作法立てとして世に姿をあらわしたものが二つあり、その一つが明治に編纂された本願寺蔵本『龍谷唄策』に納められている『五会念佛略法事儀讃』であります。
     そこには、第一会の念佛はあっても二会から五会までは空白となっています。そこで、この度の「聲明の夕べ」は、その『龍谷唄策』の全復元と、謎であります五種の念佛を編曲しました。『龍谷唄策』での「第一会 平聲緩念」の念佛を「第三会 非緩非急念」と見直し、「第一会 平聲緩念」「第二会 平上聲緩念」は、本願寺安政本「五会念佛」より抄出、「第四会 漸急念」「第五会 四字転急念」は、それぞれ「常行三昧」と呼ばれる『例時作法 早物』所収の「甲念佛」、「合殺」としました。また、法照は「讃」に「第三会念佛を和せよ」との指示もされており、「荘厳讃」の途中より「第三会念佛」を重ねて唱えるようにしました。これらの編曲は、法照の『五会念佛略法事儀讃』を正確に復元しているとは言い切れませんが、日本に伝承されている音曲念佛を拾い集め、法照とゆかりの深いもので編曲しましたので、全くの的外れではないかとも思っております。そういう意味でこの度の法要を『令和版 五会念佛略法事儀讃』と命名し、一つの形としました。
    西六条魚山会

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