① 二日酔ひならぬ程度に放哉忌 北里有李 ② おぼろ夜の存在も無も酩酊せり 「酩酊し」と言うこともできたはずですが、「酩酊せり」とわざわざ字余りしています。このことで「してしまった」というニュアンスをより強め、予想外にもそうなってしまったという印象が強くなっています。 作者には何か嫌なことでもあったのでしょうか。相当酒を飲み、酔っ払ってしまったようです。空を見上げれば月が何重にも見え、朧月なのか酔っ払って変になっているのかさえ判断がつきません。そう思っていると、月の周りの何もない暗い空間まで朧に見えてきました。 その様子を作者は、自分ではなく朧夜の全てが酩酊してしまったのだと解釈したのです。存在も非存在さえも、酔っ払ってしまうなんて愉快です。しかし、この酔いが覚めればまた正常な世界が待っているのだという諦めも感じ取れます。 ③ 酔いつぶれ思考の泡空に舞う →寒月や酔つてあぶくに似た思ひ
この動画では①自由な俳句②鑑賞句の鑑賞③AI俳句の添削案④その他コメントなどなど何でも募集しています!
①蛇出づや酔って頭に巻くネクタイ 布施貴也(ヒッチ俳句)
②今回の観賞用の俳句
おぼろ夜の存在も無も酩酊せり 原子公平 良酔
③今回の添削用のChatGPTの俳句 1つ選んで添削してください!
酔いつぶれ思考の泡空に舞う
かすかに笑酒の踊り夜風に乗る
足もとに街灯照らす酔いの跡
酒粕に浮く夢の欠片酔いの宴
酔狂なり月が見守る一人飲み
胸に滲む焦げた煙の酔いの匂い
軋む歯車心の酒解放され
酒池肉林喧騒の夜酔いどれの笑み
酔いしれて脳裏に浮かぶ遠い昔
嗚呼酔いしれ星の輝き春の夜
酔い痴れて道に迷う夜の果て
酔いどれて言葉迷い星空眺め
酔い醒ます早朝の風頬を撫でる
静寂に溶け思考は遠く酔いの宴
酔いつぶれ波に浮かぶ夢の船
酒瓶空に記憶の断片欠けたまま
酔い痴れて空に吠える酔いどれ鴉
酔いどれて街の灯りに憧れを馳せ
酔いしれて詩に酔う心の調べ
眠りに落ち酔いのまま夜が明ける
鑑賞
まだ、気持ちがよくなるぐらいの酔いならば、哲学だって、人間の理想を語ることだって出来る。寧ろ、心に寝かされていた思いに素直になれる。でも、酩酊となると、難しい事は皆、酒に呑み込まれる…季語のおぼろ夜がぴたりと座っている😅 早い話しが、呑みすぎるな!ってことなんでしょうね😅
酩酊す夫の介抱今は春
一句でした😅
蛇出づや酔って頭を巻くネクタイ
明るい呑んべいさんの姿が浮かびます!ネクタイとよろよろ歩く酔っぱらいを蛇出づ の季語がぴったりですね😂
添削
軋む歯車心の酒解放され
ほどほどな酒に心は単衣なる
鑑賞
>>早い話が、呑みすぎるな!ってことなんでしょうね
その通りですね!
酩酊す夫の介抱今は春
「今は春」から、作者の心情を考えさせられます。
春だからゆるそう、春だが辛抱ならない、どちらの読みもできました。
日本酒から、ビールなどにわたる酒の季節感なども読みました。
添削
軋む歯車心の酒解放され
ほどほどな酒に心は単衣なる
季語が「ほどほどな酒」と付きすぎずいいですね!
お酒のCMみたいな俳句です!
私も私の周りも酔って羽目を外す人がいなくて想像つかずに
一滴も飲まずして酔うおぼろ月
一滴も飲まずして酔うおぼろ月
酔ってないですが詩的な一句です!
春の朧月をみると、こちらが酔ってるかのような錯覚に陥るという鑑賞をさせていただきました。
「魔性の月」など動物の本性を曝け出す効果のある月を、一転「人を酔わせる」=惑わせる、魅了する、そんな捉え方をしたのかなと読ませていただきました。
酔ふてこほろぎと寝てゐたよ 種田山頭火
の「酔ふ」について。動画内で「ゑふ YEU」という読みを紹介しましたが結論から言うと「よう YOU」という発音が正しいと思います。以下の2点の理由を挙げます。
①以下の山頭火のサイトなどで、「酔うてこほろぎと寝てゐたよ」と詠んだ記述があり元々「酔う」と表記されていた可能性があること。
santokaclub.blogspot.com/2011/11/blog-post_14.html
②歴史的仮名遣いと運用について
明治時代(この句は昭和6年)の辞書に「酔ふ=ゑふ」という記述がある。・・・A
「葉」の読みは字音仮名遣いでは「えふ」だが、平安時代頃に音便が発生して「YOU」の発音になった。・・・B
①が正しくなく「酔ふ」の表記だったとしても、A・Bより運用的に「YOU」と発音されていた可能性が高いこと。
以上酒のつまみになる話でした〜
間違っていたら教えてください〜
短夜の今もロックの霧島よ
平室鯛松
今もと、霧島の芋もかけられていそうです!
ロックで芋、良いですね!
夏の短夜、ロックの氷の溶ける速さまで考えさせられました!あの氷の音がたまらないんですよね!
『若鮎のはらわた苦しカップ酒』
初夏に鮎漁が解禁となり、待ってましたとばかりに鮎を釣りに行って、その場で釣れた鮎を焼いてむさぼりながら持って来たカップ酒で至福のひと時。「クーっ、この鮎の苦さが最高!」とか言いながらカップ酒が止まらない、、、😅
酔いの俳句というより
これからどんどん酔って行くぞと言う感じですかね😅
鮎のはらわたを食べるのは、通というかその場で採り食べる釣り人ぐらいですね!ですので「はらわた苦し」で釣り部分の時間や場面を想像させる力があると思います。
新鮮な若鮎とカップ酒で一杯。やってみたい道楽です。
韻律でいうと、前半にAの韻が多いですが、苦味や酒の効果か口が閉じていきます。特に「苦し」で苦味を読みながら感じるような口の動きが計算高いと思います。
毎度ありがとうございます🙏
では一句☝️
年忘なじまぬ靴で帰りけり
…しかも上等な靴だったりして🤭
これは面白い俳句です!!
しかも年忘で詠もうとしてました笑
わたしはデジカメを無くしたことがあります。。。
けり が、伝聞の助動詞ともとれ滑稽です!
『ワイキキで射手座を探し千鳥足』
久し振りに休憩でハワイ旅行に来た人が、
トロピカルなカクテルに酔いしれて、ワイキキビーチ沿いを夜空を見上げながら夏の星座を探して散歩してる様子。
都会では見られない綺麗な夜空、海風と波の音、潮とプルメリアの匂い。
殺伐とした日常生活を全て忘れ、ゆっくりと流れる時間と共に思わず鼻歌までも唄ってしまいそうな非日常にいるひと時。
いい感じじゃないですか😁
最初の上五を
「ビーチ沿い」で始めてみたのですが、あえて固有名詞の「ワイキキ」とする事で、ハワイにいるんだなあって事がわかる様にしました。
ワイキキでの「酔」いつか絶対してみたいです!
ワイキキとすることで、五七五に”I”の韻がさらに印象づきますね!
ビーチの天体観測は、仰るように五感で楽しめるのだろうなあと妄想しました。
射手座が季語でなく、千鳥足が三冬の季語となってしまうのですがハワイの季節感、日本や俳句の文化との違いを「ワイキキ」で差別化できているとも読めました!
@@hitchhaiku575
うわっ
めっちゃやばい初歩的ミスをしてしまいました。
「千鳥足」が冬の季語って事すっかり忘れていました。
夏の星座ばかりを気にしてしまい
いやいや恥ずかしい🫣
ポジティブな指摘ありがとうございます。
①
二日酔ひならぬ程度に放哉忌 北里有李
②
おぼろ夜の存在も無も酩酊せり
「酩酊し」と言うこともできたはずですが、「酩酊せり」とわざわざ字余りしています。このことで「してしまった」というニュアンスをより強め、予想外にもそうなってしまったという印象が強くなっています。
作者には何か嫌なことでもあったのでしょうか。相当酒を飲み、酔っ払ってしまったようです。空を見上げれば月が何重にも見え、朧月なのか酔っ払って変になっているのかさえ判断がつきません。そう思っていると、月の周りの何もない暗い空間まで朧に見えてきました。
その様子を作者は、自分ではなく朧夜の全てが酩酊してしまったのだと解釈したのです。存在も非存在さえも、酔っ払ってしまうなんて愉快です。しかし、この酔いが覚めればまた正常な世界が待っているのだという諦めも感じ取れます。
③
酔いつぶれ思考の泡空に舞う
→寒月や酔つてあぶくに似た思ひ
①二日酔ひならぬ程度に放哉忌 北里有李
酒で不健康になった尾崎放哉から酒への姿勢を確かめる放哉忌の一句と読みました。
連句です。
酔いを覚ませと茶出す利休忌
②おぼろ夜の存在も無も酩酊せり
作者が酩酊している鑑賞ですね!
「無」の解釈が面白いです!
③
酔いつぶれ思考の泡空に舞う
→寒月や酔つてあぶくに似た思ひ
冬としたところに「あぶく」の読みを進めさせられました。
酔いが急激に醒める様子も想像させます。
①ほろ酔いのリケジョのタップ花万朶 三尺玉子
②鑑賞
大きくて深い世界が描かれている俳句だと思いました。私も下戸なので、わからないのですが、お酒の好きな方がとことん身も心も解放される喜びが詠まれているのではないかと思いました。最後の字余りがゆったりと余韻を残すようで、いいですね。
③足もとに街灯照らす酔いの跡 添削案
影までも酔うて春灯に歩みけり
④毎回勉強になります。知識も広がり、やる気もでます。最初しんどかった添削の練習もだんだんと面白くなってきました。ありがとうございます。
ヒッチ俳句さん、ご参加の皆さんも私の添削案を更に添削して頂けませんか? 自分なりにベストを尽くしていますが、いつもモヤモヤが少々残ります。お時間があれば、よろしくお願いいたします。
①ほろ酔いのリケジョのタップ花万朶 三尺玉子
花万朶(はなまんだ)とは多くの花の枝・または多くの花のこと数えきれないほどの花を付けた枝のこと。
理系女子のタップダンスが花開く、そんなシーンを想像しました。
花見で酔っているのでしょうか。
②鑑賞
>>お酒の好きな方がとことん身も心も解放される喜びが詠まれているのではないかと思いました。
解放される感覚を、存在も無もとしているのですね!
そんな良いお酒体験、憧れます。
③足もとに街灯照らす酔いの跡 添削案
影までも酔うて春灯に歩みけり
影も酔う、良い表現です!
下から上へ、暗から明へのカメラワークも見事です!
④>>ご参加の皆さんも私の添削案を更に添削して頂けませんか?
良い添削を句会の動画で観点を添えながら紹介することにしました!今回も三尺玉子さんの添削を採用させていただいております!
酔っている俳句…やっぱり笑ってしまう内容が多かったですね。私の場合、父親はそもそも飲まない。歳の離れた兄は飲むけど、酔ってどうこうと言うことはなかったので、酔っぱらいを見たのは大学の新入生歓迎会、しかも友達や先輩が、酷く吐くなど死屍累々の様子を見てしまったので、怖くて酔っぱらうまで飲むと言うのは出来ないです。ちなみに夫や義父は晩酌をするので適度に飲むと言うのは今なら分かります。
大学で飲むか飲まないか決まりますよね・・・
浅蜊も新歓で吐くを覚えたか 布施貴也
皆さんが酒に酔うネタで来ているので天の邪鬼にこんな方向でいってみます。
啓蟄や人に酔ひたる上野駅
もはや地虫穴を出づ しまくってくるという感じですが、上野駅と啓蟄の対比とも取り合わせとも読める一句です!
前回は人の多さに酔う句でしたが、お酒で酔う句漸く出来ました❗
ドロンケン釜さん出獄のビール(中七下五が九と三ですが…)
これ、榎本武揚が獄中で家族に宛てた手紙がもとネタで出獄が決まり、前祝いにビールが出て、酔ったので乱筆すみませんと書いてあったそうですが、酔ったのところがオランダ語のドロンケンと書いてあったそうです。開陽丸にもオランダのビールを積んでいた釜さんだけにらしいです
ドロンケン、日本人にも酔ってる様だと共感可能な語感ですね!
どろどろの酔拳といった感じです笑
出獄がめでたくも感じられる表現と釜さんの人生がマッチしています。
ビール、さぞ美味しかったのだろうなと思いました!
私もそう思います❗
① 鳳仙花飲みませんかと浮かれ酔
飲むと好んでダジャレの連発になる同僚がいたのを思い出しました。酔いが回るにつれてシッチャカメッチャカになっていくんで「また始まった!」と皆苦笑いしてましたー。私はシラフでも酔えますけど。
② おぼろ夜の存在も無も酩酊せり
月夜にハムレットが酔っ払った。酔ってしまって頭の中に霞がかかって目も座ってしまって、月があるんだか、あっても何個見えてるんだか… … … もう分からなくってしまってる。
③ 酒瓶空に記憶の破片欠けたまま ≫≫≫
噛み合わぬ記憶のパズル夏の酔
④ 蛇出づや酔って頭に巻くネクタイ
「蛇が出る」というのに何か意味があるのかなと思ってググってみたのですけど、蛇が「再生と不死身」のシンボルであるとかいうのは此処では関係無さそうだし… まあ蛇出ても出なくても青大将のような柄(?)のネクタイをハチマキにして「蛇の神様だぞー」と見得を切ってるみたいなのが、可笑しかったです。
五百キロ走れゴム足袋夏タイヤ
ハイウェイでバナナモゴモゴ食む渋滞
遠距離に夏バテもせぬポンコツ車
息子が引っ越した先で色々手伝うつもりでいましたけど、先ずは自分達で配置を考えて決めるから今日はする事ないよ、とヒマを出されたので、また投稿することができましたし、ついでに市内や近郊の見物もできてしまいました。
① 鳳仙花飲みませんかと浮かれ酔
赤い花弁が飲みに誘うような俳句。種のように弾けるように酔うこともあるのでしょうか。
② おぼろ夜の存在も無も酩酊せり
シェイクスピアの悲劇の一場面と読むと哲学も納得です!
③ 酒瓶空に記憶の破片欠けたまま ≫≫≫
噛み合わぬ記憶のパズル夏の酔
かけたピースを探して。。。
④ 蛇出づや酔って頭に巻くネクタイ
鑑賞していただきうれしいです!
五百キロ走れゴム足袋夏タイヤ
500キロ!びっくりです
ハイウェイでバナナモゴモゴ食む渋滞
水分を摂りすぎるのは厳禁。特に利尿作用のあるコーヒーやコーラを飲んじゃうと悲劇の始まりです。
遠距離に夏バテもせぬポンコツ車
車お疲れ様でした!
>>ついでに市内や近郊の見物もできてしまいました。
よい日でしたね!
駄洒落なぞもろても飲まんと鳳仙花
🥀…
500キロは四捨五入のハッタリです。😅 正確には478キロですけど、そう言うと12音節で長過ぎて… … … ところで “音節” ですけど、例えばChatGPTは原語発音だと4音節しかないですけど、チャットジーピーティーとすると9になってしまいます。アルファベットで書けば4音節で行けるのでしょうか? これ興味あります。
季語「エイプリルフール」を例に挙げると、
上五にエイプリルフールとすることもありますし、8音分使うこともあります。
体感的にいうと、日本語化・カタカナ化した後の音数で読むことがかなり多いですね!
日本語に負けるなChatGPT
@@hitchhaiku575 さま 御教示有難うございました♪
500はよく考えると(4捨5入)x10 = 40捨50入でした… (四捨五入では480ですよね🧐)
日本語に負けるなChatGPT
ChatGPTは6音節(音節?音?)とできるのですね。時々、(大概自分がこしらえた)俳句をドイツ語に訳してみる、という遊びをするのですけど、ChatGPT(これ英語でそのままいけます)は明瞭に4音節ですから、"字足らず(?)" となってしまいます。だからか翻訳本の中には2種類あって、どうにかして5・7・5の型を保とうとするもの、5・7・5はもう諦めてなるべく句の雰囲気と俳人の意図が引き出されるように訳されたもの、とに分かれています。私は訳本としては後者の方が好きですけど、5・7・5を保つという方が頭の体操になって面白いので(芸術的にどうかは別として)そっちで遊んでいます。
気を付けよ季語にはChatGPT