ベルグソン「時間と自由」14 数的多様性と空間

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  • Опубликовано: 9 янв 2025
  • 「ベルグソンの『時間と自由』第2章」
    ベルグソンの『時間と自由』第2章「数的多様性と空間の話」についてですが、この章は特に「数的多様性と空間の接点」が中心的なテーマとなっています。この部分は20ページほどの長い説で、他の部分と比較しても非常に深い考察が含まれています。
    まず、「数的多様性と空間」という説では、「数とは何か」という問いから始まります。数学や数では扱えないものを考える際、数の本質について考察することが重要であり、この章では数と空間の関係性について述べられています。数とは、空間に展開されるものとして考えられています。そして、数でないもの、つまり持続とは全く異なる性質を持つものを考えることで、この章の目的に迫ることができます。
    ベルグソンがこの説を執筆したのは1889年頃であり、この時代にはまだ集合論などの数学的概念が広く普及していませんでした。それゆえ、彼の議論は純粋持続や具体的持続という概念に基づき、数えられないもの、つまり無限や実数といった概念を探求するものとなっています。
    「数的多様性」の章では、すべての数が「1」であると述べられています。品質的な「1」が連続的に並んでいるものが数であるという認識に基づき、数は人間の空間認識の基礎を成しているとされています。このため、数は空間に展開されるものであり、持続とは本質的に異なるものであるとされています。
    また、数を数える際に人間が持続の中でカウントしているという感覚は錯覚であると強調されています。数はあくまで空間的に展開されるものであり、例えば羊の数を数える際に次の羊が来るのを待つというイメージは、錯覚によるものだということです。
    さらに、この章では「2種類の単位」が議論されています。一つは「自分自身に加えられる数」であり、もう一つは「多様性でありながら統一性を保つもの」です。これらの議論は非常に抽象的で難解ですが、数は不可分ではなく、線に展開されれば無限に分割可能なものであるという考えに基づいています。
    ベルグソンは、数が空間に展開されるものとして、感覚や心理状態を空間的に投影することで錯覚が生じると述べています。例えば、鐘の音が連続して鳴る際、それを空間的に1つ1つ分けて捉えるのか、一つのまとまりとして捉えるのかという議論があります。ここで「数えられる多様性」と「意識の多様性」が対比され、意識の多様性がより深い次元にあると考えられています。
    このように、「数とは何か」を定義することで、純粋持続や具体的持続から数を切り離し、数が空間的に展開されるものであることを強調するのが、この章の目的です。究極的には、純粋持続や具体的持続と数は全く別のものであり、この区別を明確にすることで、ベルグソンの哲学的考察が深められています。

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