電気機関車EH500(3) ~夏の安中貨物 信越本線内 6号機牽引タキのみ編成~

Поделиться
HTML-код
  • Опубликовано: 4 окт 2024
  • 平成30年8月撮影。はるばる福島県いわき市から、長距離走行して来た通称「安中貨物」、終着安中に間もなく到着します。編成はタキ1200のみの12両、この日の牽引機はEH500の量産2次形である6号機です。EH500の量産機のうち1~9号機は窓周りの黒塗装が特徴、しかし信越本線南部に、青函トンネル通過を目的として設計された交直流機EH500が入線するとは、少しばかり前には全く想像すらしませんでした。列車は夕刻に美しい田園地帯を通過するシーン、ラストスパートとばかりにモーター音を響かせて快走して行きます。更に真横にはレールの繋ぎ目があり、EH型電機の特徴的なジョイント音、車長の短いタキの2軸台車が連なる高速通過音も楽しめます。また、赤いタンク車が12両も連なる大変美しい編成で、大いに主張する「亞」のマークが誇らしく見えます。おまけに、動画末尾には背景にそびえ立つ積乱雲を収録、夕陽を浴びて美しのですが、黒っぽい部分は龍や麒麟に見えるかも…。
    現在ではJR貨物が運行する列車の大部分は、コンテナを積載する"コキ"の長大編成で、主要幹線を高速走行する"フレートライナー"であります。そんな中にも"昔ながら"というべき、様々な形式の貨車で編成された"車扱い"の貨物列車も若干生き残っています。それも大部分は石油などを運搬する、黒や緑色のタンク貨車"タキ"の編成ですが、その他の車扱い貨物として現在定期的に運転されているのは、中京地区が中心で"タキ"を使用するセメント輸送、ホッパ貨車"ホキ"で石灰石(通称赤ホキ)や、炭酸カルシウム・フライアッシュ(通称白ホキ)を輸送する例があります。その他例外的には鉄道レールを輸送する"チキ"など、これも需要が高く頻繁に運転されています。そして今となっては超貴重な存在、この動画の「安中貨物」です。
    安中貨物の歴史は古く昭和44年頃に運転を開始、東邦亜鉛という会社の専用貨物列車です。亜鉛鉱石(亜鉛精鉱というらしい)を無蓋車"トキ"(以前は"トラ")で、亜鉛焼鉱という鉱石の焙焼されたものをタンク車"タキ"で輸送しているようです。積車は、いわき市の臨港鉄道線から常磐線泉駅で引継ぎ、JR貨物が信越本線安中駅までほぼ毎日輸送しています(返しは返空)。問題はその経路、常識的に最短ルートを考えると「常磐線→水戸線→両毛線→信越本線」となりますが、昔はこの経路で実際に運転されていて、両毛線内をEF65の基本番台や500番台機が牽引していたことを覚えています。貨物列車はその昔、支線区などでも当たり前のように全国津々浦々運転されていましたが、車扱い貨物の衰退とリンクするように支線区から撤退していきました。安中貨物もその影響を受けて平成12年には、積車は田端操経由「常磐線→東北本線→高崎線→信越本線」に、返空は武蔵野線経由に変更され、更に平成27年には積車の方も武蔵野線経由に変更されています。貨車の方は、老朽化した旧来の車両を置き替えるために平成23年頃にトキ25000形およびタキ1200形を新製(私有貨車)、この時点で専用貨物列車の宿命かも知れないコンテナ化やトラック輸送切り替えなどなかったことは特筆すべき事柄と言えます。貨物列車による輸送継続は、本当に素晴らしい決定だったと思います。なお現在は最大18両で運転され、日によって編成に違いが見られます(この動画はタキのみ)。牽引機は田端や武蔵野線経由になってからは、「EF81(田端)→EF510(田端)→EH500(仙台)」と目まぐるしく変化してきました。また以前は「5388レ~5781レ~5782レ~5387レ」など75km/hの"専貨A"での運転でしたが、新製貨車での高速走行化などで平成26年のダイヤ改正から95km/hの"高速貨B"、「5094レ~5097レ~5098レ~5095レ」となっています。

Комментарии •