筧裕介×宮台真司×神保哲生:人口減少社会をいかに豊かに「デザイン」していくか【ダイジェスト】

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  • Опубликовано: 10 сен 2024
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第1219回(2024年8月17日)
    『人口減少社会をいかに豊かに「デザイン」していくか』
    ゲスト:筧裕介氏(issue+design代表)
    司会:神保哲生、宮台真司
     岸田首相が唐突に総裁選不出馬を表明したことで、日本にも9月末には新しい政権が誕生することとなった。メディアはまるで競馬の予想でもするかのように次の総理探しに忙しいが、誰がなっても日本が大きく変わりそうもないことを国民は既に見透かしているのか、報道量の割には総裁選への関心は必ずしも高くないように見える。
     裏金に統一教会との癒着と深刻な政治スキャンダルが続き、日本は今、未曽有の政治不信のただ中にある。その一方で、「失われた30年」と呼ばれるほど、日本は過去30年にわたりほとんど経済成長ができず、あらゆる経済指標で先進国の最下位グループに沈んでいる。しかも、人口減少に拍車がかかるのをよそ目に、産業の効率化や生産性をあげるための産業構造改革もほとんど手つかずで、このままでは日本がますます貧乏になっていくことは避けられない。にもかかわらず、新しい総理候補の中で、ストレートにこうした問題に対応してくれそうな政治家が見当たらないとなれば、競馬予想程度の関心しか集まらないのは当然と言えば当然かもしれない。そもそも総理の首をすげ替えれば支持率が戻ると考えているとすれば、もはや自民党政治は終わっているとしか思えない。
     そもそもの問題は、現在の厳しい政治、経済、社会状況の下で市民一人ひとりが豊かさや幸福を守っていくためには、日本はどうすればいいのかという具体的なデザインが示されていないことだ。豊かな未来像がイメージできなければ、期待の持ちようがない。
     ソーシャルデザインが専門でNPO法人issue+designの代表を務める筧裕介氏は、自身が各地で行ってきた町おこし・村おこしプロジェクトの経験から、国レベルで何かを変えようとすると大変だが、より小さなユニットであれば変革は十分に可能だと語る。実際、筧氏のNPOはこれまで高知県佐川町や岐阜県御嵩町、和歌山県新宮市など、主に過疎化が進む20の中山間地で村おこしのプロジェクトを実施してきた。
     筧氏の下に持ち込まれる住民や首長からの依頼は多岐に渡るが、例えば人口減少を食い止めたいという相談があれば、若者がその町や村に居続けたいと思えるような仕事や人間関係や文化を再発見したり再構築するなどを、住民からのボトムアップ方式で実現してきたという。また、雇用と同時にかつては豊かだった人間関係をいかに再構築するかも、町や村の再興にとっては重要になると筧氏は語る。
     元々広告代理店の博報堂でデザインの仕事をしていた筧氏は、ソーシャルデザインやコミュニティデザインを考える上で「デザイン」が需要なキーワードとなると言う。元々「デザイン」は日本語では「意匠」と訳されており、外形的なものを指していたが、今は一般的には「設計」という意味で使われている。しかし筧氏はもう少し狭い意味でデザインを定義しており、それは「人の共感を生んで人の心を変える美しさと楽しさを伴う行為」のことだという。どんなに自分たちに影響があることでも、つまらなければ人は興味を持つことができない。逆に、人の共感を呼ぶことができれば、行動も変わっていくという。
     日本を変えていくためには、日本の将来のデザインが多くの日本人の間で共有される必要があり、そのためにはまず人々の共感を生みやすい身近なところのデザインから取り組む必要がある。人口の少ない町に力のある首長が登場し、若者が入って行動すれば、その町や村が劇的に変わることを何度も目の当たりにしてきたと言う筧氏は、遠回りなようでも、自ら政治に関わりたいと思える人を増やすことから始めるしかないと語る。
     なぜ日本には将来のデザインが見えないのか。日本の未来像をデザインできる政治家はいるのか。人口減少局面にある日本の未来をどうデザインしていけば、多くの日本人が豊かさや幸福さを失わない社会を作っていけるのかなどについて、デザイナーの筧裕介氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
    【プロフィール】
    筧 裕介 (かけい ゆうすけ)
    NPO法人issue+design代表、慶應義塾大学大学院特任教授
    1975年福井県生まれ。98年一橋大学社会学部卒業。2011年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。1998年博報堂入社。2008年ソーシャルデザインプロジェクトissue+designを開始。15年NPO法人issue+designを設立し理事長に就任。20年博報堂退社。著書に『人口減少×デザイン』、『持続可能な地域のつくり方』など。
    宮台 真司 (みやだい しんじ)
    社会学者
    1959年宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授、東京都立大学教授を経て2024年退官。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-』、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』、共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』など。
    神保 哲生 (じんぼう てつお)
    ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹
    1961年東京都生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。
    【ビデオニュース・ドットコムについて】
    ビデオニュース・ドットコムは真に公共的な報道のためには広告に依存しない経営基盤が不可欠との考えから、会員の皆様よりいただく視聴料(ベーシックプラン月額550円・スタンダードプラン1100円)によって運営されているニュース専門インターネット放送局です。
    (本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)
    #マル激 #筧裕介 氏 #ソーシャルデザイン #まちづくり #神保哲生 #宮台真司

Комментарии • 7

  • @Takerrrrrrr
    @Takerrrrrrr 25 дней назад +8

    小さな共同体から出発してボトムアップでデザインすることくらいしか民主主義的感覚の醸成の道はなさそう。
    今や社会が空洞化して(小さな)共同体の所属は党員になるかヨガスクールに通うかくらいなもんで、やることはほぼトップダウン。
    国家や共同体は自分たちでデザインしていくものなんだという感覚は、やってみないとなかなか身につかない。
    僕は大学生でサークルを作りましたが、大変に苦労すると同時にやりがいもあった。
    今の政治の自堕落さは、政治的無関心よりもむしろ社会的無関心にあるのではとすら思う。

  • @user-xq7er6zg7o
    @user-xq7er6zg7o 24 дня назад +3

    宮台先生ありがとうございます😊
    そうとおりです😮

  • @gamingair772
    @gamingair772 20 дней назад +2

    これから日本人は分業化され専門化され細分化された職業コミュニティの中で縮こまって、本格的に少なくなっていくんでしょうね
    でも規模は小さくなっても個人の幸福のサイズが変わらなければそれでいいのかもしれないです、近代社会学者の宮代先生もがん治療頑張ってください

  • @tm9raiser999
    @tm9raiser999 24 дня назад +3

    結局のところ二世議員は国を良くするという使命感よりも政治屋としての利権や票取り仕事がメインになるので、基本的な政策もそれに基づいたものになると考える。
    もっと大志を持った人が、利権や票取りを考えずに本当に必要で有効な政策を真剣に考えて行くことが出来ればもっと良くなるはず。
    政治家が何かを決める時は、もっと幅広く専門家や研究者などと共同で取り組み、政治家の利害が政策決定の上で取り込まれないような仕組み作りが重要になると考える。ただ勉強会を開いて意見を聞くだけでは意味が無い。

  • @user-zz8bw6fs1s
    @user-zz8bw6fs1s 25 дней назад +4

    次の総理にはあまり期待しないほうがよさそうですね。期待してもがっかりするだけだと思う