ご指摘の通りLanfancoのScintille di Musica (1533)には最高弦がe''と記されています。一方PraetoriusのDe Organographia (1619)には最高弦がd''と記されています。この楽器についての記録があまりに少ないので決定的なことは言えませんが、仰る通り作品が書かれた時代、地域はもちろんのこと、作品の調性/旋法、またその作品の中でこの楽器がどのような役割を果たすのか(伴奏なのか否か等)によって様々に調弦がされていたのではないかと、実際にこの楽器を弾いた経験から感じています。動画で演奏しているRomanescaは最高弦がd''である方が圧倒的に弾きやすく、そして楽器が良く共鳴します。Biberのロザリオのソナタなどに見られるヴァイオリンのスコルダトゥーラ(変則調弦)はそういった習慣の名残なのでは無いかと考えています。リラ・ダ・ブラッチョについてはIndiana University PressからSterling Scott Jonesの本が出ていますので、宜しければご参照下さい。
This is so good! Didn't expect the bagpipes
リラ・ダ・ブラッチョの調弦ですが、Wikipediaなど海外の情報では最高音の弦はe''と記されています。世界大百科事典内のリラ・ダ・ブラッチョの言及
では『ルベックからはフレットのない指板と5度調弦を受け継ぎ』とあります。ヴァイオリンの前身の楽器であることから、完全5度の調弦になっているのではと思いますが、こちらで紹介されているようにd''もあるのでしょうか。こういうことは地域や時代によってさまざまな形態が考えられますので、d''の使用についてはその起源や使われていた地域や時代について、お解りになる範囲で結構ですから教えていただけますか。
ご指摘の通りLanfancoのScintille di Musica (1533)には最高弦がe''と記されています。一方PraetoriusのDe Organographia (1619)には最高弦がd''と記されています。この楽器についての記録があまりに少ないので決定的なことは言えませんが、仰る通り作品が書かれた時代、地域はもちろんのこと、作品の調性/旋法、またその作品の中でこの楽器がどのような役割を果たすのか(伴奏なのか否か等)によって様々に調弦がされていたのではないかと、実際にこの楽器を弾いた経験から感じています。動画で演奏しているRomanescaは最高弦がd''である方が圧倒的に弾きやすく、そして楽器が良く共鳴します。Biberのロザリオのソナタなどに見られるヴァイオリンのスコルダトゥーラ(変則調弦)はそういった習慣の名残なのでは無いかと考えています。リラ・ダ・ブラッチョについてはIndiana University PressからSterling Scott Jonesの本が出ていますので、宜しければご参照下さい。