Fauré : Quartet for Strings in E Minor, Op.121 / Quatuor Ébène 2008

[@洋阿相]

洋阿相
　フォーレ唯一の弦楽四重奏曲、完成を見なかった「白鳥の歌」を老輩が最後に聴いたのはいつであったのか思い出すことが出来ない程の時間が経ちました。確かパレナン四重奏団の録音であったでしょうか。フォーレ７８歳、宿痾の難聴（音程が狂って聴こえる）の作曲家としては絶望的状況で、先輩の室内楽作品に敬意を払って試みることのなかった弦楽四重奏曲に挑戦した遺作です。この作品がフォーレの作品を代表する傑作であるかどうかは別として、創作意欲の凄まじさには驚くばかりです。殆ど完成していた作品はフォーレの依頼で弟子のデュカス達数人の手によって校正され出版されます。死の床にあったフォーレを慰めようと完成部分の試演を提案したところ、フォーレは「聴くに堪えない」と強く拒絶したという痛ましいエピソードも残っております。

[@shin-i-chikozima]

This masterpiece is my luxury and great tranqulizer