【 XlonAxe 】”Digital Warfare”

【 XlonAxe 】ALBUM "VIRTUAL OVERLOAD"
track07：Digital Warfare
Episode 7：”Digital Warfare”
クロノス・コーポレーションからの追跡を辛うじて逃れたゼロたちは、新たな隠れ家を求めてクロノスの裏社会を彷徨っていた。しかし、彼らの行動は既にクロノス側に筒抜けになっている可能性が高かった。情報漏洩を防ぐため、安全な通信手段を確立する必要があった。
「ここはもう長くはいられない」
ゼロはシグナルとフェイズに言った。
「クロノスは、俺たちの動きを完全に把握している。このままでは、いつ捕まってもおかしくない」
シグナルも同意した。
「確かに、連中の反応は早すぎる。まるで、俺たちの行動を先読みしているようだ」
そこで、ゼロは一つの提案をした。それは、敵のネットワークに潜伏しているトロイの木馬を利用し、敵の通信を傍受するというものだった。
「トロイの木馬は、敵のシステムに潜伏しているだけでなく、外部との通信も傍受できるように改造してある」
ゼロはそう説明した。
「これを使えば、敵の通信内容を把握し、連中の動きを先読みすることができる」
早速、シグナルがトロイの木馬にアクセスし、傍受プログラムを起動した。すると、モニターにクロノス・コーポレーションの内部通信が流れ込んできた。
「これは…？」
フェイズがモニターを指差した。そこには、複数のハッカーと思しき人物たちの会話が映し出されていた。
「どうやら、クロノスは外部のハッカーを雇って、俺たちを追跡しているようだ」
シグナルの分析によると、これらのハッカーたちは、クロノスが雇った傭兵のような存在だった。彼らは、高度なハッキング技術を持ち、ゼロたちを執拗に追い詰めてくるだろう。
「まるで、代理戦争だな…」
ゼロは呟いた。クロノスは、自分たちを直接攻撃するのではなく、外部のハッカーを使って間接的に排除しようとしている。まさに、デジタルウォーフェア、代理戦争だ。
その時、傍受していた通信の中に、気になる言葉が飛び込んできた。
「審判者の命令…？」
ゼロは耳をそばだてた。どうやら、傭兵ハッカーたちは、審判者と呼ばれる人物から直接指示を受けているようだった。
「やはり、審判者がこの作戦の最高責任者なのか…」
ゼロは確信した。審判者は、単なるクロノス・コーポレーションの幹部ではない。プロジェクト・クロノスの背後にいる、真の黒幕。この都市を支配しようと企む、恐るべき存在だ。
通信の内容から、傭兵ハッカーたちが自分たちの居場所を特定しようとしていることがわかった。このままでは、また追跡を受けることになる。
「ここは一旦退却だ。連中の追跡を振り切って、別の場所に移動する」
ゼロはそう言うと、仲間たちと共に隠れ家を後にした。クロノスとの戦いは、ますます激しさを増していく。
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