「60歳からのお金と仕事の話 〜 いくらあれば豊かか? 雇われない生き方とは?」(「朝礼だけの学校」校長・藤原和博 ×「ライフシフト・ジャパン」代表・大野誠一)
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- Опубликовано: 9 фев 2025
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【藤原和博】
金融庁が、普通に働いている人は、年金だけでは2000万円足りません、と発表しました。そのあと大問題になって、政治問題にもなったので、慌ててこれを打ち消したのですが。ちょっと計算した人はですね、意外とあれは正確な数字だ、ということを分かっていまして。
僕は1997年に出した『処生術』という本がデビュー作なんですが、ここでもかなり詳しい計算をやっていまして。旅行にいくらかかるかとか、病気になったらどうなるの、みたいなですね。そのシミュレーションでも、年金外で1800万円から2000万円くらいが必要になる、ということを計算をしているんですね。
これを今日はしっかりね、いくら足りないか、あるいは、それが預金としてないとやばいか、いくらないと赤字になるか、ということを、ぼくのほうからまずはプレゼンさせてもらいたいと思っているんです。これはすごく大事な問題なので、20分くらいかかる可能性があります。6枚のスライドを作ってありますけれども、これは本当に本邦初公開で、講演でこれまでしっかりと喋ったことはありませんし、RUclipsにも流れていません。おそらく、誰もこれをちゃんとやっていないんですよね。本にもまだ書いていないです。
というわけで、この回を受ける皆さんは、ものすごい気づきと得をしますので、期待していただければと思います。そのあと、今度は大野さんから、足りないとか赤字とか言うけれど、それって稼ぎ続ければそうではなくなりますよね。つまり、60歳とか65歳とかで仕事を辞めちゃって稼げなくなる、という前提での話がぼくの話だとすれば、それ以降も、現役生活は長引かせることはできて、そして賞味期限を伸ばすことができれば、収入が入ってくるわけですから。現役を70代、80代、90代へと伸ばす。士業の人、たとえば弁護士や医師、税理士、会計士は頭がぼけるまで、かなり長くやりますよね。士業だけじゃないやり方が、これからおそらく続々と登場します。不安だけれども明るい未来、をかなり具体例を交えながら話されます。また、ぼくはあまり詳しくなかったのですが、新しい法律が施行されたということも、大野さんのほうから教えてもらいます。
キーワード
■ 幸福感のマトリクス
■支出を計算しよう
いくらあれば豊かか? 家計費を計算してみましょう。
これは、各自が個別に自分の計算をしなければいけないわけなんですけれども、まずモデルとなるものを示してみたいと思うんですね。
全体家計費というのは、1)住居費、2)教育費、3)生活費、となるわけです。
1)住居費。
ローンは終了して住む家はある、という前提で考えています。60歳あるいは65歳でローンは終了している、という前提ですね。これでも、マンションであれば管理費がかかりますよね。戸建てでも、色んなところが壊れますから。雨樋が壊れた、とかですね。水道やトイレが具合が悪くなったとか。ですので、「管理費+水道光熱費」で月5万円くらいは通常かかるんですよ。これはやっぱりイメージしておいたほうがいいと思います。
「ローンは終了して住む家はある前提」と書いていますが、高級賃貸にそのまま住みたいんだ、という場合は、これに家賃がプラスになりますから、気をつけていただきたいと思います。
2)教育費。
子育て終了が前提ですから、ここでは参入しません。
3)生活費。
食費6万円。交友・娯楽費4万円。交通・通信費(スマホ)3万円。医療費2万円。税金3万円。その他2万円。という風に書いています。ここまでの小計で、月20万円、かかっているわけですね。
食費6万円というのがどういうレベルか。月30日とすると、1日2000円じゃないですか。二人世帯だったら、一人が1日1000円ということになります。外食が多い方は、一人1日1000円じゃやっていけない、と思うかもしれません。一方、料理を楽しみにして自分で料理を創作できる人は、もっと食費を少なくすることもできると思います。
この生活費の小計が多いと思うか、少ないと思うかは、人それぞれ。さて、いかがでしょうか?
これでいきますと、5万円+20万円ですから、月25万円お金がかかっていることになります。これをどこまで損益分岐点を下げられるか、ということが非常に大事な話になってきます。とにかくケースには正解はなく、ご自身のケースそれぞれなので、計算してもられればな、と思います。
■社会保障給付(年金)の収入を知る
藤原:
今度は、収入のほうです。社会保障費・年金って言うけれど、一体、いくら入ってくるの、と。ケース1・2・3とあります。これはものすごく単純化するために、あえてアバウトに計算していますので、そのつもりで聞いてください。目安にはなるでしょう。
ケース1「夫婦ともに自営業で国民年金のみ」ですと、月12万円前後になります。
ケース2「一方がサラリーマン」の場合、この場合は国民年金とは別に「厚生年金」として会社が上乗せしてくれているんですね。それを20年払っているか、40年払っているか、で全然違ってくるんですけれども。そして、一方が「専業主婦」、あるいは、奥さんが働いていて夫が働かない場合もあるので「専業主夫」。どちらかが「厚生年金」の場合は、月20万円前後、です。
ケース3「共働きで双方が厚生年金」の場合が一番高いわけですけれども、月25万円前後、となります。
そうするとすぐに分かると思うのですが、先ほどの(2)で住居費・教育費・生活費の総家計費が月25万円だった場合はどうなりますか?
ケース1の場合は、月13万円の赤字になります。そうすると、年160万円の赤字ですから、生涯あと30年だとすると4800万円赤字になる、ということ。
ケース2の場合、これは結構典型的なケースかもしれません。サラリーマンと、家でパート程度に働いている人がいる組み合わせ。この場合には、月5万円赤字ですから、年60万円の赤字。30年間だと1800万円の赤字になります。これがあの有名な「2000万円足りない事件」ですね。
ケース3のように、25万円に近い収入があれば、トントンになる、という話です。
■損益分岐点を下げる/収入を生み出す資産を作る
■ 勘所1:赤字をなくすか、できるだけ小さくしなければいけませんね。
■勘所2:60歳までに収入を生み出す資産をつくる。
■勘所3:予期せぬ出費を想定/生涯学習費を想定
■勘所4:子の教育費は減少するが、その分、自分の教育費は増えると考えよう!
■勘所5:外注費(委託費)を思い切って増やそう!
■勘所6:マンションとか、戸建てを持ってらっしゃる場合。家をリバースモーゲージで売って住み続ける知恵も。
■「70歳就業法」がもたらすきっかけ
■ほぼ全員がフリーランスになる時代
■「それぞれ一人一人」が自分自身を雇う時代
■ どこに雇われていても、最後に、どの屋台を引くか?
「朝礼だけの学校」はこちらから! 小中高生は550円(税込)、大人は1100円(税込)です。 chorei.jp/
60才からの仕事に、地域に貢献する自治会の役員を考えたことはありませんか?
収入にならない仕事、社会のシャドウワーク(思想家のイバン=イリッチが語っていた)の一つが、地域の自治会の役員、自治会の様々な行事です。