震災とアスベストによる健康被害今に 専門家は 阪神・淡路大震災30年
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- Опубликовано: 31 янв 2025
- 阪神・淡路大震災から30年が経ち、復興の面では大きく進みましたが今になって、倒壊した建物から飛び散ったアスベストによって一般の人やボランティアの人の健康被害が出てきています。
栃木県内でも多くの建物被害があった東日本大震災から10年以上が経ち同様の被害が出てくる可能性があると専門家は指摘します。
(NPO法人ひょうご労働安全衛生センター西山和宏事務局長)
「水道も出ない。電気もつかない」
阪神・淡路大震災をきっかけに、労働災害の防止や被災者に対する十分な補償をサポートする活動を行っているNPO法人ひょうご労働安全衛生センターの西山和宏さんです。西山さん自身も当時、兵庫県明石市で被災しました。
(NPO法人ひょうご労働安全衛生センター西山和宏事務局長)
「すでに火災が起きていて大きな建物が倒壊している。信じられないような光景が飛び込んできた」
被災地での解体作業中にアスベストを吸い込み、がんの一種、中皮腫を発症した男性が、2008年3月に労災認定されたことが全国的なニュースとなり、これをきっかけに労働災害に関する相談や申請のサポートに力を入れるようになりました。
(NPO法人ひょうご労働安全衛生センター西山和宏事務局長)
「復支援作業に従事した7人が悪性胸膜中皮腫というアスベスト特有のがんを発症し
労働災害に認定されてる。今回アスベストによる肺がんであると認定されたことが分かった」
阪神・淡路大震災でアスベストによる「肺がん」発症が労災認定されるのは初めてとされています。
認定されたのは、去年80代で亡くなった神戸市の男性で、勤務先でアスベストを吸う機会はありませんでした。
しかし、震災直後建物に被害のあった取引先に訪問したり、がれきの撤去などが行われていた神戸市までバイクで通勤したりしていました。
その際に倒壊した建物などからアスベストを吸い込んだとみられ、4年前に肺がんを発症。医療機関の検査でアスベストを吸い込んでいたことがわかり、昨年度、神戸東労働基準監督署は労災に認定しました。
今回の認定を受け、西山さんは解体作業に当たっていなかった人も今後、肺がんを発症するリスクがあると危機感を募らせます。
(NPO法人ひょうご労働安全衛生センター西山和宏事務局長)
「肺がんの場合は中皮種と違って一定量のアベストを吸わなかったらなりにくい。
直接作業に従事していなくても一般市民・ボランティアも大量のアスベストに曝露している可能性がある」
センターなどが去年行ったアンケートで阪神・淡路大震災で活動したボランティア105人のうち2人にアスベスト被害でよく見られる症状があることが分かったということです。被害の大きかった長田区ではすでにアスベストの危険性が指摘されていました。
「マスクで守って」と書かれた手作りのチラシや粉塵が多い地域を示したマップからは当時の凄惨な状況をみてとれます。
(NPO法人ひょうご労働安全衛生センター西山和宏事務局長)
「阪神・淡路の大震災から30年を迎えるが、潜伏期間から病気が発症してもおかしくない。復旧復興に従事した人もアスベストに暴露した可能性があるということを前提に医療機関で健康診断を受けていただきたい」
震災発生から30年、被災地を助けた人たちの健康が危ぶまれています。
(NPO法人ひょうご労働安全衛生センター西山和宏事務局長)
「東日本大震災の時にもアスベストが飛散した可能性は十分ある。ボランティアとして被災地で活動した人もアスベストと接触している可能性は高い。東日本大震災から10年過ぎたので病気を発症してもおかしくない時期を迎えている」
栃木県内では、2011年の東日本大震災で全壊と半壊を合わせて2300棟余りの建物が被害を受けていて、西山さんは「心当たりがあれば早めに検診してほしい」と訴えています。