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新海作品の中盤に流れてそうなbgm
やまない雨などない。しかし、雨がやんだとしてもまた何処かで雨は降っている。
100文字の物語あの日、雨の降る歩道橋で、俺の服の裾を掴んだ君。それを無視したのを、ずっと後悔している。今日は、あの日みたいな土砂降りだ。なんとなく歩道橋へ寄ってみると、見覚えのある後ろ姿が。今度は俺が裾を掴む番だ。
こんな日に限って雨、か…雨の日に散歩をすると自分まで洗い流されるような気持ちになるだから私は雨が降ると傘も持たずにずっと歩いて行く嫌いな自分が消えるまで落ちていく透明の粒と時間を共に過ごす心地良さで自然と笑みが溢れる気分が良くなるそれが私にとっての雨だなのにそれだけなのに変わり者と馬鹿にされる気持ち悪いと罵られる傘を持てと心配されるそれから私は雨に当たるのを拒む様になった晴れなのに笑う様になったよく傘を持つ様になっただというのに私は傘を忘れてしまったそして急な土砂降りだ「こんな日に限って雨、か…」本当に困ったものだ濡れた自分の仮面が溶ける貼り付けていた笑みが崩れるなのに私は笑っているそりゃ変わり者と呼ばれるわけだ私ですら自分の事が分かっていないぐちゃぐちゃになったこの感情が分かっていないならば全て洗い流してしまおう今は大嫌いになった自分ごとひとりの少女が消えてしまっても構わないだってそれが私にとっての雨だから
個人的に1番良い✨
良い音だな❗
Congrats for 20K bro!
何気なくスーパーへ買い物に行った。11月も初旬、雨ガッパを持ってきて正解だった。厚い雨雲は、優しく、でもこれでもかと、水滴を地へ落とした。傘に当たる、車に当たる、私に当たる。ビニール袋も家に着く前にびしょ濡れになってしまった。風も吹いている、木々も揺れている。なんて綺麗なんだろうと、子供の頃見ていた、魔法と神秘と奇跡が混じった世界は、知識という剣に、あっという間に斬られた。今では、洗濯物が乾かないなとか、髪がうねるなとか、大好きだった傘をさして歩いていたあの頃にはもう戻れないんだな、なんて、思って。玄関に荷物を置いて、不意に着信が届いた。「雫、仕事遅くなるから、先晩御飯食べてて」母からのメールに、スタンプを押せばリビングで買い物を冷蔵庫に入れて、一息ついた。家に誰もいない、悲しいと泣いていた小学生の低学年。好きな事できる、と嬉しかった中学二年生。じゃあ、遊びに行こうだなんて、友達と深夜までカラオケに行った高三。家の柱には、身長の古傷があって、写真には思い出がいっぱい詰まっていた。天気雨の日に産まれたから、雫。雨が好きだったのに、いつからだろう、こうも鬱陶しくなったのは。戸棚にあったカップ麺を食べようかな、なんてポットで湯を沸かして。静かなリビングで、無言で食べたカップ麺は、何故だか、味がしなかった。
良すぎる……
良…
良
命終えようとか頭よぎるこんな日に空が蒼く澄むから高層ビルの屋上のフェンスを乗り越えた自暴自棄がいた日々のしがらみに足を重くするこんな日に灰色の天蓋で覆うから刃渡り15cmで血の軌跡を描く失愛者がいた日常の一歩が立ち竦んで出せないこんな日に天も泣くから涙の一粒が濁流となって私を流したどうやら私は晴天が似合わないらしいどうやら私は曇天が嫌いらしいどうやら私は雨天に愛されているらしいだから私の英雄譚の始まりはいつも雨の中
新海作品の中盤に流れてそうなbgm
やまない雨などない。
しかし、雨がやんだとしてもまた何処かで雨は降っている。
100文字の物語
あの日、雨の降る歩道橋で、俺の服の裾を掴んだ君。
それを無視したのを、ずっと後悔している。
今日は、あの日みたいな土砂降りだ。
なんとなく歩道橋へ寄ってみると、見覚えのある後ろ姿が。
今度は俺が裾を掴む番だ。
こんな日に限って雨、か…
雨の日に散歩をすると自分まで洗い流されるような気持ちになる
だから私は雨が降ると傘も持たずにずっと歩いて行く
嫌いな自分が消えるまで落ちていく透明の粒と時間を共に過ごす
心地良さで自然と笑みが溢れる
気分が良くなる
それが私にとっての雨だ
なのに
それだけなのに
変わり者と馬鹿にされる
気持ち悪いと罵られる
傘を持てと心配される
それから私は雨に当たるのを拒む様になった
晴れなのに笑う様になった
よく傘を持つ様になった
だというのに
私は傘を忘れてしまった
そして急な土砂降りだ
「こんな日に限って雨、か…」
本当に困ったものだ
濡れた自分の仮面が溶ける
貼り付けていた笑みが崩れる
なのに私は笑っている
そりゃ変わり者と呼ばれるわけだ
私ですら自分の事が分かっていない
ぐちゃぐちゃになったこの感情が分かっていない
ならば全て洗い流してしまおう
今は大嫌いになった自分ごと
ひとりの少女が消えてしまっても構わない
だってそれが私にとっての雨だから
個人的に1番良い✨
良い音だな❗
Congrats for 20K bro!
何気なくスーパーへ買い物に行った。
11月も初旬、雨ガッパを持ってきて正解だった。厚い雨雲は、優しく、でもこれでもかと、水滴を地へ落とした。
傘に当たる、車に当たる、私に当たる。
ビニール袋も家に着く前にびしょ濡れになってしまった。風も吹いている、木々も揺れている。
なんて綺麗なんだろうと、子供の頃見ていた、魔法と神秘と奇跡が混じった世界は、知識という剣に、あっという間に斬られた。
今では、洗濯物が乾かないなとか、髪がうねるなとか、大好きだった傘をさして歩いていたあの頃にはもう戻れないんだな、なんて、思って。
玄関に荷物を置いて、不意に着信が届いた。
「雫、仕事遅くなるから、先晩御飯食べてて」
母からのメールに、スタンプを押せばリビングで買い物を冷蔵庫に入れて、一息ついた。
家に誰もいない、悲しいと泣いていた小学生の低学年。
好きな事できる、と嬉しかった中学二年生。
じゃあ、遊びに行こうだなんて、友達と深夜までカラオケに行った高三。
家の柱には、身長の古傷があって、写真には思い出がいっぱい詰まっていた。
天気雨の日に産まれたから、雫。
雨が好きだったのに、いつからだろう、こうも鬱陶しくなったのは。戸棚にあったカップ麺を食べようかな、なんてポットで湯を沸かして。
静かなリビングで、無言で食べたカップ麺は、何故だか、味がしなかった。
良すぎる……
良…
良
命終えようとか頭よぎるこんな日に
空が蒼く澄むから
高層ビルの屋上のフェンスを乗り越えた自暴自棄がいた
日々のしがらみに足を重くするこんな日に灰色の天蓋で覆うから
刃渡り15cmで血の軌跡を描く失愛者がいた
日常の一歩が立ち竦んで出せないこんな日に天も泣くから
涙の一粒が濁流となって私を流した
どうやら私は晴天が似合わないらしい
どうやら私は曇天が嫌いらしい
どうやら私は雨天に愛されているらしい
だから私の英雄譚の始まりはいつも雨の中