ふわふわ系 その335《Hanami》BGM
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- Опубликовано: 5 фев 2025
- 前回までのあらすじ
全身サイボーグと化したグラップラー井上により片腕を切り落とされた三次元峰太。
その素速い対応により、なんとか腕はくっつき大事には至らなかったが2ヶ月の入院を余儀なくされる。
2週間を過ぎた所で来客がなくなり己の人脈の薄さに打ちひしがれていると、突然ドアが開いた。現れた人物に三次元は歓喜する。
青木!青木じゃないか!エジプト以来じゃないか!どうしたんだこんな夜更けに!
青木とは旧知の仲だ。とは言えないくらいの仲なのに久しぶりの来客に変なテンションで対応してしまった。そしてその青木はまんざらでもなさそうな顔をして、へへっ と言い、自分の人差し指を鼻の下に擦り付けていた。
すまないな。こんな夜更けに。と青木。
たしかに、なぜこんな夜更けに来たのか。私も分かっていた筈だ。現に言葉にだって出していた。何故こんな時間に訪れたのか。段々とイライラしてきた。
お前『zhibun』いくつ集めたんだ。入院したって聞いて練馬から飛んできたんだぞ。と言っても住んでるのは石神井公園だからほぼほぼ西東京なんだけどなガハハ。
私は側にある電子時計を見た。その目線をそのまま青木の胸元に移し、次いで青木の眼を真っ直ぐ捕え、
お前ってスタイルいいよな。
と言った。
えっ、あっ、と慌てふためく青木は赤面していたと思う。実際は暗くてよく見えなかったわけだが。
私は思い切ってエクスカリバー青木の胸を揉みしだこうと手を伸ばした。が、凄まじい激痛によってそれは叶わなかった。
青木は少し心配したようだったが、へへッと笑うと なんで切り落とされた方の腕を使うんだよ と言った。
で、何の用事だよ。秒単位で場の雰囲気が変わる病室。痛みが落ち着き冷静になった私は、やっと一番初めから思っていた心からの疑問を問うた。
花見に行かないか。
そう言った青木に対し、私が思ったのは
それは深夜1時に突然豊橋の病院に現れ、そこに入院してる奴に掛ける言葉ではないな。
であった。
青木エクスカリバーはお金配り系RUclipsチャンネルである。エクスカリバー青木ともう1人、相方で同時にパトロンでもある二人組で成り立っている。ちなみにエクスカリバー青木は本名だ。全くもって無用心なやつである。
あれから約1ヶ月後、私の退院を待ち約束通り青木と江頭と花見にやってきた。
お前『zhibun』いくつ集めたんだ。
岡崎にあるとある神社は樹齢100年を超える枝垂れ桜で有名だが、既に花びらは散ってしまっていた。そのお陰か人が少なくて私にはちょうど良かった。
お前『zhibun』いくつ集めたんだ。
青木は馬鹿みたいに同じことを繰り返したが、無視した。すると江頭が お前『zhibun』いくつ集めたんだよ。と聞いてきた。335個だよ。と答えると へー と江頭、ほー と青木。そんな生返事しか返ってこなかった。
枝垂れ桜ではなく、ソメイヨシノの下でコンビニで買ったチュロスを肴に一杯やっていると、なんだか既視感を感じた。既視感を感じた 重複してるだろうか。
青木、今日はやけにしをらしいじゃねぇか。なんだってスカートなんか履いてるんだ。化粧もして。
江頭の問いかけに対して青木は まぁいいじゃないの今日くらい、そういえば今日は相方も呼んでるんだ。と言った。
何がそういえばなのか分からなかったが、それに付けても珍しい。青木エクスカリバーの片割れは滅多に表に出てこない。というか私も全く知らない。
あ、きたきた!おーい!なに桜並木の動画撮ってんだよ!こっちこっち!
私は既視感を感じた。
いや違う。それは既視だった。
サイボーググラップラー井上がいた。
続く