趣味の謡曲「隅田川」語り

Поделиться
HTML-код
  • Опубликовано: 8 сен 2024
  • #謡曲
    #謡曲語
    #観世流
    #日髙徹郎
    謡曲には節(ふし)の部分と詞(ことば)の部分があります。
    詞は観衆に対するものと特定の相手に対するものと独りごとの3つに大別されます。
    朗読者としての私は詞を大事にしているわけですが、
    中でも相手に対して過去の出来事や由緒などを物語る「語(かたり)」というものに
    ひときわ興味を持っています。
    「語」は謡曲において重要な聞かせどころとなっていますが、
    節という音階的なものを伴わないだけにやりがいがあります。
    趣味として続けている謡曲の中より
    いくつかの「語」を実際に声に出して、ここで取り上げてみようと思います。
    ------------------------------------
    (その四) 観世流謡曲「隅田川」より
    さても去年三月十五目。しかも今日に相当て候。
    人商人の都より。
    年の程十二三ばかりなる幼き者を買ひとりて奥へ下り候ふが。
    此幼き者。いまだ習はぬ旅の疲にや。以ての外に遺例し。
    今は一足も引かれずとて。此川岸にひれふし候ふを。
    なんぼう世には情なき者の候ふぞ。
    此幼き者をば其まゝ路次に捨てゝ。商人は奥へ下つて候。
    さる間此辺の人々。此幼き者の姿を見候ふに。
    よし有りげに見え候ふ程に。さまざまに痛はりて候へども。
    前世の事にてもや候ひけん。たんだ弱りに弱り。
    既に末期と見えし時。おことはいづく如何なる人ぞと。
    父の名字をも国をも尋ねて候へば。
    我は都北白河に。
    吉田の何某と申しゝ人の唯ひとり子にて候ふが。
    父には後れ母ばかりに添ひ参らせ候ひしを。
    人商人にかどはされて。
    かやうになり行き候。郡の人の足手影もなつかしう候へば。
    此道の辺に築き籠めて。しるしに柳を植ゑて賜はれと
    おとなしやかに申し。念仏四五返称へつひに事終つて候。
    なんぼうあはれなる物語にて候ふぞ。
    朗読(語り):日髙徹郎
    Ted Hidaka

Комментарии •