【オリジナル曲】改造騒音楽器群の為の「夢中裂想思態」【初演】 /冨田悠暉

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  • Опубликовано: 7 сен 2024
  • 母校の文化祭にて初演
    作曲:トイドラ、演奏:実験音楽工房ISK
    【夢中裂想思態演奏方法】
    〈必要楽器・人員〉
    改造騒音楽器を持った演奏者……複数人(140億人程度が望ましい)
    ストップウォッチ管理者……1人
    巨大な譜面台ないしそれと同じ働きをするもの、または人……1台または1人
    トライアングル……1台
    スラップスティック……1台
    ストップウォッチ(音の出ないものが好ましい)……1台
    〈用語定義〉
    楽譜:「夢中裂想思態」の楽譜であり、模造紙に図形譜が描かれている。プレイヤーはこれを見ながら各々の感性に任せて演奏する。
    昏睡点:楽譜の一方の短辺に、紙面外に通じている細い道が一本のみあるが、その道と楽譜紙面端の接点。ここから演奏を開始する。
    闇:楽譜上の黒で塗り潰された範囲。この範囲は演奏には一切用いない。
    道:楽譜上の、黒スプレーで塗りつぶされていない範囲。この範囲には黒い文字や色が描かれていることがあり、また道自体の形や太さも様々だが、これらを見て感じたことを随時演奏すべきである。なお、文字は必ずしも読んで理解する必要はなく、絵の一種として考えればよい。
    裂想肢:道が分岐する地点。演奏中にここに差し掛かった場合、任意の一つの道を選んでその方向へ進むべきである。
    覚醒点:道が終わる地点。演奏中にこれ以上先に道がない地点に到達した場合、それは覚醒点に到達したということであり、以下の演奏終了手続きBを行う。
    〔図参照〕
    〈演奏手続〉
    0.譜面台に楽譜をセットし、演奏者は集まって演奏隊形を作る。演奏者は1枚の原譜を全員で見ながら演奏するのが好ましい。
    1.ストップウォッチ管理者がストップウォッチを作動させ、任意の分数または秒数をカウントする。なお、任意の分数または秒数までの残り時間は、演奏者に知らせない。
    2.ストップウォッチの作動と同時に演奏者は昏睡点を見る。
    3.時間経過とともに道の上を目で丹念に辿っていきながら、随時感じたままに演奏する。(※注)なお、全奏者は各々の固有性を捨て去り、個性を抽象化された一つ一つの細胞として、一体感と自律感を同時に持って演奏すべきである。
    4.裂想肢に到達した場合、その度ごとに任意の道を選択して進む。
    5.下記の演奏終了手続AまたはBが発生するまで演奏を継続する。
    注:道を逆走してはならない。道上の同じ点を2度通ってはならない。離れた道へ急に飛んではならない。演奏中は道以外の場所を見てはならない。道の隅々までよく見て、微妙な道の形や色の変化、書いてある文字や何も書いていない空白など、全てのものを何らかの形で演奏に反映させるのが好ましい。
    〈演奏終了手続〉
    この楽曲の演奏終了には2通りのパターンが存在する。それぞれの発生条件とともに下に記しておく。
    ストップウォッチ管理者が任意の分数または秒数をカウントし終えた場合(演奏終了手続A)
    1.ストップウォッチ管理者は、トライアングルをトレモロ奏法で数秒間けたたましく奏する。
    2.全奏者は演奏を直ちに中断し、各自の楽器を床に向かって叩きつけるか、各自の楽器から改造騒音マウスピースを取り外してそれを床に思い切り投げつける。
    3.床に叩きつけられた楽器またはマウスピースの残響が消えたら演奏終了である。
    演奏終了手続Aの発生前に演奏者のうちの誰かが覚醒点に到達した場合(演奏終了手続B)
    1.覚醒点に到達した奏者はそこで楽譜の演奏を終了し、舞台上に置かれたスラップスティックを直ちに一度強く鳴らす。
    2.覚醒点に到達した奏者以外の奏者も全員そこで演奏を直ちに中断し、全奏者は各自の楽器を床に向かって叩きつけるか、各自の楽器から取り外した改造騒音マウスピースを床に思い切り投げつける。
    3.床に叩きつけられた楽器またはマウスピースの残響が消えたら演奏終了である。
    なお、演奏終了手続きAとBが同時に発生しても構わない。つまり、トライアングルとスラップスティックが同時に奏されても構わない。
    〈備考〉
    この「夢中裂想思態」の楽譜は模造紙に描かれているが、本来これはこの楽曲の楽譜としては著しく不完全なものである。実際にこの楽曲を譜面に描こうとすれば、宇宙とほとんど等しい面積の紙が必要となり、演奏には平均でおよそ6〜10時間を要する。よって、この楽譜がこの楽曲世界の全てだと考えてはならない。この楽譜はあくまで便宜的なものである。これを鑑み、場合によっては楽譜に現されていない楽曲世界を演奏することも可能である。
    また、この楽曲に意味はない。

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