Fragments ―特攻隊戦死者の手記による(信長貴富) | Mu Project
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- Опубликовано: 9 окт 2024
- 男声合唱とピアノのための『Fragments』特攻隊戦死者の手記による
曲 信長貴富
演出 宮城太一(Mu Project)
出演 松元博志(ピアノ)、Mu Project
撮影 中部クリエイティブ
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おにいさんコーラスフェスティバル2018
2018年5月27日(日)府中の森芸術劇場ウィーンホール
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【逝く春に寄せて(プログラム・ノート)】
『男声合唱とピアノのための「Fragments」―特攻隊戦死者の手記による―』は、副題の通り作曲者の信長貴富によって収集された軍令や手記の断片(Fragments)によって構成されている。特攻隊とは特別攻撃隊の略称で、大戦末期に編成された自らの死を伴う体当たり攻撃隊のことを指す。
あくまで推察する他ないが、隊員たちの手記には、多くの「嘘」が書かれている。「俺が消えたからとて、何も悲しむことはない」と書き残した男には、自らの死を受け入れる一方で、誰かにこのやるせなさを汲み取ってほしいという、ある種の「甘え」があったような気がしてならない。こうした彼らの嘘を、体制(あるいは大勢)に抗うことができなかった弱さや甘えとして切り捨てることは容易だ。しかし、私たちがするべき行いは本当にそういったことなのだろうか。国家という途方もなく大きな虚構に呑み込まれてしまったひとりひとりの若者が必死についた嘘を、迎合だと嘲笑い洗脳だと指差すことに何の意味があるだろう。
私たちは、彼らの知らない73年前の真実を知っている。あの日の正義がどこに属し、生き延びるための選択肢がどこにあるかも知っている。もし時を遡ることができたなら、私たちが神のようにただ一言導くだけで彼らの未来は変わるだろう。けれども私たちは神になることを望まない。彼らの葛藤に、虚勢に、嘘に耳を傾けたい。彼らの叫びは平和への祈りや戦争への怒りであるよりも前に、時代に翻弄されもだえ苦しみながら生きた青年たちの叫びなのだ。それは「73年前の私たち」の叫びだ。
この世界は、数多の「なんとなく」で溢れている。ひとびとは今日を生きるために精一杯で、残された1日が無為に減り、来るべき死が確実に近づくことに目を逸らしながら生きている。それら「なんとなく」を批判し、確かな哲学や確固たる信念をもって大きな力に抗うことができるのは強い人間だ。願わくは私たちもそのような人間でありたい。しかし、彼らや私たちにはそれができない。正しさが暴力となり衝突することを恐れてしまう。言葉が足りずに誰かを傷つけてしまい、それらの行いで自らがさらに傷つくことを恐れてしまう。短慮だと窘められることを恐れて口を噤んでしまう。場を取り繕うために思ってもない嘘を口に出してしまう。建前で重ねた嘘を反芻し、本心ではない自分の言葉に傷ついてしまう。
彼らは呑み込まれてしまった。私たちもまた呑み込まれている。強く在ることが出来ないのなら、せめてこの違和感を、彼らが語った嘘さえも大切にしたい。彼らの嘘に裏写りした真実からは73年後を生きている私たちと同じ叫びが聞こえてくる。正しい言葉ではないかもしれない。闇雲に叫んでいるようにしか聞こえないかもしれない。それでも私たちは叫び続ける、この変わりなく続く苦しみと向き合うことこそが生きる意味だと信じて。
文・宮城太一
スパノヴァ版も良かったです🙌
この曲を初めて聞いたのは9年前だったか、確か、男声ソリストの歌を、舞台袖か、客席かどっちだったか、聴いたのが初めてで、余りの衝撃に涙を溢した。
その後その曲をもう一度聴きたくて何度もネットで探したけど見付からなかった。
この曲が、RUclipsに上がるようになったのかと、感慨を覚える。
信長貴富って本当凄い…
画面上でもこんなに引き込まれるんだから実際に聞いたらもっと感動するんだろうな~
もっと前に知ってれば...!!
5:04 ここのソリストの動きが好きすぎて定期的に来てしまう
演出が凄まじくていいですね!
ここまでみんなしげきさん化すると全く違う作品に見えてくる
良い悪いとかじゃなく、前衛的って言葉が合うのかな?