第三部集団心理 第1章 会話の基本、何を話して良いかわからない人へ

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  • Опубликовано: 11 сен 2024
  • 02:12 自分<相手
    04:22 相手を知るためのストーリー
    07:43 表情を見ながらリズムを調整
    09:33 男性が好む会話
    11:39 女性が好む会話
    13:10 演技は見抜かれるけれど
    今日は「会話の基本」をテーマにお話しします。
    「一体、何を話せばいいの?」という話です。
    「会話が苦手なんです」「コミニケーションが苦手なんです」という患者さんはたくさんいらっしゃいます。発達障害の人に限らず、うつや不安神経症の人などにも多くいらっしゃいます。
    精神科医がいう会話の基本術とはいかほどのものだと思うかもしれませんが、科学的な部分と臨床実践で身に付いたテクニックがありますので、それを皆さんに共有したいと思います。
    基本として3つ、それから男性版と女性版、合わせて5個にしぼりました。
    ■自分<相手
    1つ目は「自分の話より相手の話をする」です。
    自分が喋るよりも、相手の話を聞くことが大事です。会話というのは2人でやるコント、漫才、ショートドラマなので、主役は自分ではなくて「相手」です。
    会話の基本は「相手を主役にする」。
    相手においしいところを持っていきます。
    基本的には、会話の目的やゴールがないなら、相手の進みたい方へ行けば良いのです。自分で誘導をせずに、「ふーん」「すごいね」「さすがだね」「素晴らしいね」「そうだね」と相槌を打っていきます。
    ただ、相手にずっと喋ってもらおうとすると「何だコイツは?」となります。
    相槌だけではなく適度にこちらの言葉を挟んでいきます。
    ですが自分の話をするときは、「散々相手の話を聞いたから、今度は自分の番だね」と自分のしたい話をしたらもちろんNGです。
    自分主体で話をする時も、あくまで会話は相手へのプレゼントです。
    プレゼンをしろとは言いませんが、相手にとって有益そうな話や面白いと思っている話をコンパクトにまとめて話すと良いかと思います。
    小話を用意しておくのは大変だと思うかもしれませんが、30秒でしゃべれるものから2、3分かかるものまでいくつか用意し、今関心のあることをストーリーにしておくと便利かなと思います。
    とにかく相手に話してもらう、というのが大事なポイントです。
    ■相手を知るためのストーリー
    「相手のしたい話なんだな」と思って相手の趣味である車の話を聞いていても、実は相手はそれほど嬉しくありません。
    相手の趣味である車の話や旅行の話を聞いても、相手はそれほど満足感を感じません。
    こちらは気を遣いながら相手の趣味の話や旅行の話を聞いているのに、相手は自分の旅行の話を懇切丁寧に教えているつもりになります。
    これだとせっかく聞いていてもポイントになりません。
    相手が知りたい事は何かと言うと、相手自身、つまり「自分のこと」を人は一番知りたいのです。
    ですから、「相手を知るためのストーリー」を会話の中心に持っていった方が良いのです。
    精神科医の場合、相手を知るためにこのようなことを聞きます。
    ・現病歴:今困っていることはいつから始まっているのか、どのような経過で今に至っているのか。
    ・生活史:何人兄弟で何番目か、親の職業、親の年齢や性格、いじめられた経験、中学での部活、友人は多いのか少ないのかなど。
    ・家族歴:どんな家族だったのか、精神の病気や障害がある人は家族にいたのか、自殺をした人や事故に遭った人が親族にいるのか。
    ・病前性格:ご自身の性格はどのように考えているのか。
    初診で全部聞けたら聞きますが、聞けなかった場合は少しずつ外来の途中で聞いていきます。
    精神科の診察のように話を聞けと言うわけではありませんが、相手の「ストーリー」を聞いていくというのはいいと思います。
    相手の人生を聞けるというのは面白いです。
    相手も楽しいしこちらも面白いと思うので、こういったことも織り交ぜると良いかと思います。
    結局のところ相手を知るには、家族歴や自分で言う性格、役職や学歴でもわかりますが、やはり「経験値」です。
    どのような経験をしてきたのか、こういう経験をしてきたからあの人はこのような考え方ができるのだ、このような物の考え方になったのだ、といったことがわかります。
    人格を知るにはその人の「経験値」を知る必要があります。
    それに、相手の経験談は聞いてみると、平凡な人生でも聞きどころはたくさんありますよ。
    これも会話の基本かなと思います。
    ■表情を見ながら、リズムを調整
    会話をしていく上で「リズム」はとても大事です。
    相手の表情を見ながら言葉を早めたり、ゆっくりにしたり、抑揚をつけたりすることが大事です。
    表情を見ながら、相手の気持ちや今考えてることを類推し続けることがすごく重要です。なかなかできませんが。
    中身よりもリズムが大事です。
    話のテンポや流れはすごく重要です。
    リズムというのは会話の中の掛け合いのリズムだけではなく、「中身」のリズム感もあります。
    僕はリズム感のある小説が好きです。例えば村上春樹は文章の中にリズムがあります。ジョジョの奇妙な冒険という漫画も好きですが、あれもリズム感や勢いがあります。
    一見止まっている小説や漫画、止まっていてリズムは聞こえないはずですが、言葉のチョイスや文字数などでリズム感が出てきていて、音楽を聴いているかのような感じを覚えます。
    このリズムを意識しながら会話を理解していくことが重要だと思います。
    中身よりも大事です。
    ■男性が好む会話
    問題抽出→一般化→解決と議論
    男性が好む会話は、問題解決と議論です。
    男性と会話をしているときは、相手の話を聞きながら、「その話ってこういうことですよね」と問題点を抽出し、そこから一般化して解決策を話し合ったり議論をしていきます。
    ■女性が好む会話
    長所・感情の抽出→共感→私として同じストーリーの語り直し
    女性の場合は長所や感情を会話の中で抽出して、そこに共感して、「私はこんなことがあったんだよね」と言うと盛り上がる、という感じです。
    「金沢旅行に行ったんです」
    →お寿司おいしいよね
    →雪景色も綺麗だよね、風情があるよね
    →私も、金沢行ったことないけれど、2年に一回は京都に行こうと思ってるの
    →京都も良いよね
    →京都もいいけど温泉に行きたいよね
    →わかるわかる~
    と盛り上がります。
    女性の会話の方が出やすいです(笑)
    患者さんは女性の方が多いので、このような会話をしてしまいます。
    でも楽しいですよね。男の人のインテリっぽい話は面倒くさいです。
    ■演技は見抜かれるけれど
    大事な事は、「演技は見抜かれる」ということです。
    こちらが相手の表情を見ているように、相手もこちらの表情を見ています。
    僕らよりも相手の方が表情を見抜くのは明らかに得意なので、過度の演技は良くありません。
    でも、必死に相手に喜んでもらおうと思って会話をしていく姿は心を打ちます。
    仲良くしたいと思ってくれているのかなと思えば、相手は優しくしてくれたり良い感じで仲良くなっていきますので、ある程度は良いと思います。
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    今回は、会話の基本についてお話ししました。
    『精神科医がこころの病気を解説するChとは?』
     一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
                     早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
    『自己紹介』
    益田裕介
    防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
    趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
    2020年6月5日より断酒継続中。
    【参考】
    厚労省みんなのメンタルヘルス www.mhlw.go.jp...
    カプラン 臨床精神医学テキスト第3版
    #話し上手 #聞き上手 #会話のポイント

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