【宮台式人類学②】楽しきサッカー、没人格化が育てた社会学、未開の合理を発見した人類学

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  • Опубликовано: 8 фев 2025
  • 宮台真司が語る人類と社会、名づけて「宮台式人類学」。
    第2回目配信。テーマは、「楽しきサッカー、没人格化が育てた社会学、未開の合理を発見した人類学」。
    宮台はまず、人類学者・今福龍太(『ブラジルのホモ・ルーデンス』)に拠りながら、科学技術に基づく管理サッカーで一時代を築いた「ドイツ・サッカー」と、共同身体性に基づく集合的なダイナミズムを重んじる「ブラジル・サッカー」のうち、どちらのほうが楽しいサッカーだろうかと問うている。もちろん、楽しいのはブラジルのサッカーのほうだ。「ブラジルのホモ・ルーデンス」を踏まえて宮台は次に、法以前の集団生活では、法や制度を作ることによって、集団のポテンシャリティが落ちてしまったと喝破する。動画の前半では、アーティフィシャル(人為的)なものではなく、スポンテーニアス(自然発生的)なものがもたらす社会作用こそが重要なものであった人間社会への深い洞察が語られる。
    社会の劣化が決定的なものとなったのは、日本では1980年代の「新住民化」以降のことであったが、その世界的な現われである「汎システム化」に先立つ約一世紀ほど前、19世紀末から重工業化を成し遂げたヨーロッパ列強諸国では、人々が道具的に扱われることによって、「没人格化」が進められていく過程で、社会に対する不安や危惧が露呈した。そうした問題意識が育んでいったのが、社会の問題に目を向ける社会学だったと、動画の後半で宮台は説いている。社会学が近代社会の内側へと向かったのに対し、近代ではない社会へと出かけて行って、「未開」の中に合理性を発見したのが人類学であった。しかし現代社会の内側を扱う社会学では、人類学が運んできた「存在論」が忘却されることになる。社会の内側にはしだいに「認識論」が蔓延するようになり、いい制度や法があれば問題は解決するのだとうそぶく啓蒙主義に寄り添うマヌケな社会学が隆盛を迎えたのだという。
    脳細胞がスパークする宮台真司先生の講義、その第2講!
    〈出演者〉
    ▼宮台 真司 (みやだい・しんじ) 社会学者。映画批評家。1959 年 3 月 3 日仙台市生まれ。京都市で育つ。権力論、国家論、宗教論、性愛論、 犯罪論、教育論、外交論、文化論などの分野で単著30冊ほど、共著を含めると100冊ほどの著書がある。著作には『14 歳からの社会学』『日本の難点』『〈世界〉はそもそもデタラメである』『絶望から出発しよう』『正義から享楽へ』『崩壊を加速させよ』『聖と俗 対話による宮台真司クロニクル』など。キーワードは、全体性、ソーシャルデザイン、アーキテクチャ、根源的未規定性、アフォーダンス、生態学的思考、進化生物学的思考、人類学的思考、「言葉・法・損得=社会」への閉ざされ(=クズ)/開かれ(=子供とかつての大人)など。
    ▼加藤志異(かとうしい)妖怪絵本作家。1975年岐阜県生まれ。世界中のみんなと協力して、どんな夢でもかなえる妖怪になるために修行中。早稲田大学第二文学部卒業。絵本ワークショップ あとさき塾出身。絵本の作に『とりかえちゃん』(絵:本秀康/文溪堂)、『ぐるぐるぐるぽん』(絵:竹内通雅/文溪堂)、『せかいいちたかい すべりだい』(絵/山崎克己/大日本図書)等がある。主演ドキュメンタリー映画 『加藤くんからのメッセージ』(監督 綿毛)がイメージフォーラム・フェスティバル観客賞受賞、全国各地で劇場公開、vimeoで配信中。界隈塾塾長。早稲田大学ゲスト講師。豊田市立根川小学校創立150周年記念講演会講師。三鷹天命反転住宅在住。
    ▼伊藤雄馬
    言語学者。1986年生。タイ・ラオスで話されるムラブリ語を中心にフィールドワークを行う。大学教員を経て、2020年から独立。ムラブリ語が母語の次に得意。2022年公開のドキュメンタリー映画『森のムラブリ』(監督:金子遊)に出演し、現地コーディネーター、字幕翻訳を担当。著書に『ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと』(集英社インターナショナル)、『人類学者と言語学者が森に入って考えたこと』(教育評論社、共著)など。
    〈制作〉
    ▼スラウェシの犬
    #今福龍太#サッカー#ドイツ#ブラジル#松本大洋#オーギュスト・コント#社会学#初期人類学#啓蒙主義#存在論#認識論

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