Session ”Otogizoushi” For Piano and Violin(original)
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- Опубликовано: 9 фев 2025
- ~Dedicate to the essay 「月と散文」by Matayoshi Naoki~
🎹えんにゅうなつき / okappamama
🎻北澤華蓮 / karenk_official
2023年の忘れられない出来事の一つは、一人暮らしを始めてから大好きになった芸人、作家の又吉さんにお会いできたことです。
藝祭のトークショーにゲストとしてお越しくださった又吉さんは、藝大生6人と対談をしてくださり、私自身もそのうちの1人として又吉さんに自分がつくった音楽を聴いてもらいました。
本当に不思議な形で人生のご褒美をもらったと感じられた、あの時間は一生の大事な思い出です。
その後、一瞬の夢のような時間に浸るように又吉さんの作品もう一度読みなおしていたところ、2023年の4月に出版されたエッセイ集「月と散文」という作品とそのタイトルから、自分の頭の中で想像が膨らんでしまい、音楽が生まれました。又吉さんのこのエッセイ集を読んでいると、フィクションとノンフィクション、頭の中で考えていることと実際に起こっている出来事、現実と妄想…あらゆる境界が次第にぼやけてにじむような読書体験をしました。次第にどの話を読んでいてもどこかおとぎ話を聞いているように感じられて、そんな不思議な感覚が音楽の雰囲気にも反映されているかもしれません。
加えて、藝祭での対談では、学科の異なる学生と又吉さんとの間で様々な議題が上がりましたが、その中の一つに妖怪をモチーフに作品を作っている同級生の尾形凌さんと又吉さんとの間で興味深い妖怪談義がありました。そこで見た尾形さんの作品と又吉さんとの対話がとても印象的で、その後しばらく自分自身にとって「妖怪」とは何か、自分の中に潜む「妖怪」についても考えを巡らせたことも、この音楽にインスピレーションを与えてくれました。
人には言えないこと、秘めているもの、隠したいこと…
目には見えない存在。普段はどこかに身を潜めてるもの。暗い時間になるとモゾモゾと動き出すもの…
(午後にようやく起床する夜行性動物it’sme!!!!OHNO)
多種多様なはみ出しもの、マージナルな存在が、自分の殻を破って自由にうごめき出すように、
かれんさんのバイオリンと遊ぶように紡いでいった対話のような掛け合いをお楽しみください。🎻
最後に、この曲の終結部コーダには、小さい頃から大好きで、何十回と繰り返し見ている怪物が主人公の映画シュレックの挿入歌「Fairy tale」を引用しています。
(もしかしたらそれ以外にも歴史的に様々な民謡などで見られる音形かもしれません)
世間や人からどうみなされても、どんなに不器用でも、勘違いされても、自分自身の心のうちにある素直な気持ち、思いやりの大事さをユーモラスに描いている、大好きな作品です。
あらゆる創作物に、リスペクトを込めて。
私も作り手として生きていけるように、これからも精進し続けたいです!🌝
例のごとく長くなりました。これが2023年最後の私からの音楽です、皆さん良いお年を!🫶