【中学生死亡】“ひき逃げ無罪”に遺族「長い苦しみ」 判決見直しの可能性も…争点は「直ちに救護」

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  • Опубликовано: 13 дек 2024
  • 9年前、男子中学生が車にはねられ死亡した事故をめぐり14日、最高裁は、ひき逃げの罪を無罪とした二審の判決を見直す可能性がある弁論を開きました。遺族は会見で「反省のない被告人に対しては実刑判決をお願いしたい」などと訴えました。
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    息子を事故で亡くした和田真理さん
    「これまでの加害者の態度などからも、まったく反省している様子は感じません。間違った認識で約10年過ごしてきているので。本当にこの間苦しんできたのは、私たち遺族です」
    息子を事故で亡くした和田善光さん
    「一番やはり苦しかったのは、この裁判が実際に起訴されるかどうか。それを待っている時間が一番、苦しかった」
    裁判後の会見で遺族が語ったのは、長い苦しみの日々でした。
    和田真理さん
    「できれば、反省のない被告に対し実刑判決をお願いしたい」
    当時15歳の和田樹生さんは、スポーツが好きで空手やサッカーに打ち込みながら、世界で活躍することを夢見て勉強に励んでいたといいます。
    和田真理さん
    「(生まれた時)やっと会えたねっていう気持ちと、その時に主人が『自分たちの命に代えてもこの子を守っていこうね』って…自分の命よりも大切な存在」
    事故が起きたのは、塾からの帰り道のことでした。2015年、長野県佐久市の交差点で、当時中学3年生だった和田樹生さんが車ではねられ亡くなりました。高校入学を目前に控えるなかで突如、奪われた未来。
    和田善光さん
    「本当に高校入学すごく楽しみにしていたので、本当に少ない時間でも、ほんのわずかな時間でもよかったので、高校生活を体験させてあげたかったという思いがすごくあります」
    和田真理さん
    「いつも、樹生が家族の中心でした。樹生がいなくなってしまった家族の中にぽっかりとあいてしまった穴が、何年たっても埋められないです」
    この事故では、車を運転していた会社員の男性(52)が、すでに過失運転致死の罪で禁錮3年、執行猶予5年の有罪が確定しています。その後、新たに問われたのがひき逃げの罪です。
    道路交通法では、万が一事故があった時には、直ちに負傷者を救護することが定められています。男性は事故後、人工呼吸などの救護を行っていました。
    しかし、実は事故を起こしてから樹生さんを救護するまでの間に、コンビニに立ち寄っていたのです。その理由は、口臭防止用品を買うためでした。
    飲酒運転が明らかにならないように酒のにおいを消そうと考えていたといいます。
    和田真理さん
    「たぶん、一番悔しかったのは、樹生だと思うんです。樹生はどんな思いで助けを待っていたんだろう、ということをいつも考えていて」
    争点となっているのは、男性のこの行動が「直ちに救護した」にあたるかどうかです。
    2022年、一審・長野地裁で男性は、飲酒運転の発覚を避けるため口臭防止用品を買いにコンビニに行ったことを認めた上で、「事故現場から逃げるつもりはなかった」と主張。しかし、判決は直ちに救護を行わなかったとして、懲役6か月の実刑判決を言い渡しました。
    裁判長
    「自己保身を優先した意思決定は身勝手かつ、自己中心的なもので強く非難されるべき」
    しかし、二審の東京高裁は、コンビニに立ち寄った行動について…
    裁判長
    「救護のためではないものの、時間は1分余りで、その後、人工呼吸をしていたことに照らすと、救護義務の意思は保持し続けていた」
    下されたのは、逆転の無罪判決。直ちに救護を行わなかったと評価することはできないとしたのです。
    和田真理さん
    「樹生にかける言葉は見つからないです。このまま刑が確定するようなことがあれば、こんな国に産んでごめんねとしか言えないです」
    直ちに救護したかどうか、一審と二審で判断が分かれた今回の裁判。
    和田真理さん
    「私たちは、樹生が事故で亡くなったのではなく、加害者に直ちに救護されなかったから、亡くなったんだというふうに思っておりますし、やっぱり1分1秒早く救護されていれば、救われる命っていうのはあるので」
    和田善光さん
    「救護義務違反ではないかと訴え続けてきました」
    救護義務違反が認められひき逃げは成立するのか。検察側が上告し、その判断は最高裁に委ねられることになりました。迎えた13日、開かれたのが弁論です。
    弁論は最高裁が結論を変えるのに必要な手続きであるため、二審の無罪判決が見直される可能性があります。
    検察側は「利己的な行動で救護が遅れたことを過少評価し、不合理な判断だ」として二審判決を取り消すよう主張。一方、弁護側は、「現場を離れた時間や、その後の行動から考えると、救護義務違反は成立しない」として無罪を主張しました。
    裁判後、樹生さんの両親は…
    和田善光さん
    「まず、この弁論が開催されたことについては、一つの光が差してはいる。被告が真摯に見つめ直して反省しているとは、我々はみじんにも感じられません」
    和田真理さん
    「直ちに救護されれば、救われる命はあると思います。これまで一度も樹生の命日だからといって、花が手向けられたりお供えが届いたりしたことは一切ありません」
    会見ではつらく長い闘いが続くなかで樹生さんへの思いも…
    和田善光さん
    「裁判が続いていて(樹生さんに)10年近くも報告ができていないのは、我々の力不足もあると、本当に申し訳ないなという気持ち」
    和田真理さん
    「ずっと樹生は、私たちの近くで裁判の行方を見守ってくれていた。この裁判も一緒に傍聴してほしい。きょう、娘も一緒に傍聴したが、家族が心を一つにして救護義務違反が認められることを願い、樹生も一緒に傍聴しました」
    判決は次回、言い渡されます。
    (2024年12月13日放送「news zero」より)
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