「おむつは白色」という固定観念を覆せ！ 大人用おむつ革命！

男性が、一心不乱に写真におさめるのは…
大人用のおむつだ。
紫色。レースがあしらわれたランジェリーのようなデザイン。
去年、これらの写真を投稿すると、たちまち話題に。
４万を超える『いいね』がついた。
「年を取ったらこういうオムツをはきたい」など若い世代からも好意的な反響。
「日本の福祉の考え方って、最低限の保証や安全。
　違和感を感じている」
独特のファッションに身を包んだこの男性が投稿の発信源。
平林 景（ひらばやし・けい）さん、47歳。
発達障害の子どもたちが通うデイサービスを経営している。
福祉業界に身を置きながら、
ファッションの最高峰、パリ・コレクションでショーを開催。
脱ぎ着しやすく、性別や障害の有無を問わないデザインで世界の注目を集めた。
アパレル業界の未経験者がパリコレを実現することは、まさに異例中の異例だ。
【平林さん】
「障害者でもオシャレできるよ。おむつでもオシャレできるよ。…は嫌いなんですよ。
　むしろ、おむつがオシャレみたいな。
　障害があるからカッコいい。
　障害って言われていますが、僕はアドバンテージだと思う」
パリコレをバックアップした友人たちは、平林さんをこう表現する。
「ぶっ飛んだ方」
「ぶっ飛んでる発想と、超絶実現力」
「ワンピースのルフィみたいに『俺は海賊王になる』って言う。
　周りが『おー！』ってついていく」
周囲を巻き込みながら突進する平林スタイル。
その種は、幼少期にまかれたものだった。
【平林さん】
「診断を受けたのはＡＤＨＤ（注意欠陥多動症）。
　自分に凸凹。できないことが多かったのはラッキー。
　人に頼ることを息するみたいにやった方が良い人生を送れるんじゃないか」
平林さんが今挑戦しているのは、大人用おむつの一大プロジェクト。
2025年、大阪・関西万博の会場で
世界最大級のおむつのファッションショー「おむつコレクション」を開催しようというのだ。
そのために、力強い仲間を味方に取り込んでいた。
おむつの宅配業を営む八木大志さん。
おむつの知識にほれこんでプロジェクトに勧誘した。
宅配業だけでなく、おむつの課題や解決策を考え勉強会を主催する八木さん。
なんと各メーカーのおむつの特性を知るため、１年間、自らおむつ生活を実践した。
実体験がともなった貴重な情報を目当てに、
勉強会には、毎回、医療や介護の関係者らが100人ほどが参加する。
【八木さん】
「私、実はうんちを漏らしたことがあるんですけど、
　便漏れの経験ってどれぐらいありますか？」
「実際におむつを使っている年齢層の方は、白のパンツをはいてきた世代。
　白を好んではく方もいるのが現状。
　色付きの下着を使ってきた世代が、白のおむつをはきたいかというとそうはいかない。
　カラーバリエーションや柄が必要になる時代がすぐそこにきている」
この日。
平林さんのもとに、朗報が届いた。
大阪・関西万博で「おむつコレクション」の開催が正式に決定したのだ。
【平林さん】
「ショーで何をやるかも大事だけど、
　どれだけの人を巻き込んでどれだけの人に知ってもらうか一番の勝負所」
平林さんは、早速、新たなおむつのデザインを模索していた。
「すぐに商品化とかではないけど、
　未来にはこういうものが出てくるよって見せられるようなショーになれば
　オムツのコレクションになれば面白い」
おむつの固定観念を覆す、彼らの冒険が今、始まった。
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