コシヒカリ発言 川勝知事 会見開くも謝罪なく非難の声やまず（静岡県）

川勝知事が御殿場市に関して「コシヒカリしかない」などと発言した問題をめぐり、知事は11月9日、緊急記者会見を開きました。しかし、謝罪がなかったため、非難の声は止みそうにもありません。
＜川勝平太知事＞「私の発言が大変大きな誤解を生んでいると。それを正しく県民の皆さんに説明すべきとアドバイスを頂いたので会見を開くことにした」
　緊急記者会見の冒頭で、自身を支える県議会会派からのアドバイスで会見を開いたと述べた川勝知事。知事が「誤解を生んだ」と説明するのは、10月の発言です。
＜川勝平太知事＞「あちら（御殿場市）はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」
　参院補選の応援演説で、対立候補が元・御殿場市長だったことに関連して「御殿場市にはコシヒカリしかない」などと発言しました。非難の声が相次ぐこの発言について川勝知事は…。
＜川勝平太知事＞「（参院補選の）論戦の一つが第一次産業を儲かる産業にするという主張だったが（相手候補の元市長に）御殿場コシヒカリに全部集約するというような発言があった。それを逆手にとればこれしかないだろうと。これは元市長に対して向けたものであって、御殿場市議会、市民の方に向けたものでは全くありません」
　30分ほどの会見中に謝罪は一切なく、『選挙の演説の中で生まれた元・御殿場市長に向けた言葉だった』という説明に終始しました。
＜川勝平太知事＞「ですからこれは、（相手候補に）政策の中身がないということを申し上げるために言ったこと」
　この会見後には、会見を開くことを勧めたふじのくに県民クラブから苦言を呈される一幕も…。
＜川勝平太知事＞「アドバイスをいただいて、すぐ実行しました。いいアドバイスはすぐに実行するということで」
＜ふじのくに県民クラブ　中澤通訓県議＞「会見内容に不満な人たちがいますが」
＜川勝平太知事＞「なるべくね、善は急げと」
＜ふじのくに県民クラブ　中澤通訓県議＞「まあ誤解は解いて、きちっと本来の県政を進めていただくのが筋ですから。よろしくお願いします」
＜ふじのくに県民クラブ　佐野愛子会長＞「私どもにとっては内容的には不満な会見ではありました。謝罪の会見になっていなかった。知事からは『誤解を与えた、申し訳なかった』と言ってほしかった」
　さらに“コシヒカリ発言”に対する抗議文を知事に提出した県議会最大会派からは…。
＜自民改革会議　野崎正蔵代表＞「あの会見を聞いて県民の皆さんが納得できるような内容だったと思われますか？火を消すどころか、火に油を注ぐような会見だった」
　“当事者”の御殿場市民は…。
＜御殿場市民＞「謝罪するなら『誤解』ではなく市民の皆さんに申し訳ないと言えば落ち着くところだと思います」「コシヒカリをアピールするチャンス。知事さんありがとう。逆手にとって御殿場市は攻めていくという挑戦状をたたきつけたい」
　御殿場市の勝又市長も急きょ記者会見を開きました。
＜勝又正美御殿場市長＞「先ほどの知事の発言を聞いて、まずもって、その中で謝罪の言葉がなかったのは残念に思います。御殿場市民の心を傷つけた気持ちはとても消えない内容だと感じました」
　会見しても、知事の説明に納得する声は聞こえず、収束までには時間がかかりそうです。
#オレンジ6　11月9日放送