【癒しのSAX】WHITE MANE／T-SQUARE

WHITE MANE
T-SQUARE
寝てしまうには惜しい夜がある
この曲が収録されたアルバム「NATURAL」を最後に
フロントの伊東たけしさんがスクェアを脱退、
ニューヨークに拠点を移しソロ活動に専念する。
そんなニュースを聞いたときはこの後スクェアは
どうなってしまうのだろうかと正直不安だった。
解散はせずに新しいメンバーを迎えるとのことだが
ベテランの伊東さんの後に加入する人は
まだ二十歳そこそこの新人さん…そりゃ不安に
ならない方がおかしかったのだ。
ところが、伊東さんの後を継いだのは
後のハイパーサックスプレイヤー、本田雅人さん。
翌年にリリースされたアルバム「NEW-S」を買い
同じくスクェアファンの友達と一緒に、
期待と不安が入り交じる思いで
１曲目のMEGALITHを聞いた途端、それまでの
不安が一気に吹き飛んだのを覚えている。
しかし、本田さんのファンキーでテクニカルなサウンドに
徐々に違和感を感じるようになり、ついには
友達ともどもスクェアから離れてしまう。
もちろん本田さんのサウンドが嫌いなわけではないし
むしろ「NEW-S」のWhen I Think Of Youや
「夏の惑星」のSweet Sorrowなどは大好きな曲なのだが
やはりスクェアには伊東さんの温かみのあるメロウな
サウンドを求めてしまったのだ。
最後に買ったＣＤが「HUMAN」だったかな。
それからしばらく後。
スクェアのフロントは本田さんから宮崎さんを経て
再び伊東さんに戻り、当時「TRUTH」から
「NATURAL」までのメンバーが集結して
「THE SQUARE REUNION」なるライブを年に一度行っていた。
その一幕でまた衝撃的なニュースが舞い込む。
今度はリーダーでギターの安藤まさひろさんが脱退するというのだ。
そのことを快く思っていなかったのか、伊東さんがライブのMCで
安藤さん脱退を憂いているとすかさず安藤さん。
「オマエだってずいぶん前に突然飛び出していったじゃねぇか」
ピアノの前で座ったまま、和泉宏隆さんはそんなやりとりを
笑いながら見ていた。
それが、最後に見た和泉さんになってしまった。
そのライブの数日後、和泉さんは天国に旅立った。
伊東さんのサックスと同じように、スクェアには
和泉さんの曲が欠かせない、旧来のファンとしては
そう思えてならないのだ。
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