【聞き流し】民法＃８ 抵当権｜聞いて覚える一問一答（行政書士試験）

[@小林和夫-f2q]

動画投稿お疲れ様です。本当に本当に民法は助かります。ありがとうございます。

[@シルエットK]

コメント失礼致します。問6の答えですが、判例でしょうか？条文でしょうか？

[@行政書士の自習室]

問6の趣旨は、物上代位と相殺の優劣が争点となった、判例に基づいています（最判平13.3.13）。
（まずは条文から、物上代位の行使として「ただし、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」を頭に入れた上で）
○争点は、「抵当不動産の賃借人が抵当権設定登記の後に、賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、賃料債権に物上代位権の行使としての差押えをした抵当権者に対抗することの可否」です。
○結論は、「抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできない。」とされています。
○なぜなら、「物上代位権の行使としての差押えのされる前においては、賃借人のする相殺は何ら制限されるものではないが、上記の差押えがされた後においては，抵当権の効力が物上代位の目的となった賃料債権にも及ぶところ、物上代位により抵当権の効力が賃料債権に及ぶことは抵当権設定登記により公示されているとみることができるから、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と物上代位の目的となった賃料債権とを相殺することに対する賃借人の期待を物上代位権の行使により賃料債権に及んでいる抵当権の効力に優先させる理由はないというべきであるから」です。
○この判例結果を受けて、
①物上代位権者が差押えをする前に相殺し、その後、物上代位権者が差押えをした場合
▶第三債務者は自由に相殺でき、その後に物上代位の差押えがあっても、相殺によって対抗できる。
相殺が「払渡し又は引渡し」にあたるから。
⇒第三債務者による設定者への弁済は、「払渡し又は引渡し」にあたる。
⇒相殺により債権が消滅することは、弁済と同様である。
□物上代位権者が差押えをした後に相殺した場合(当判例内容)
②自働債権の取得が抵当権設定登記後である場合
▶相殺によって対抗できない
③自働債権の取得が抵当権設定登記前である場合
▶相殺によって対抗ができる
以上の内容となります。難しいですね～(~_~😉。

[@シルエットK]

@@行政書士の自習室 様へ
御返答本当に有り難う御座います。凄く丁寧且つ明瞭な解説本当に有り難う御座います。大変参考になりました。今後も宜しくお願い致します。