茶農家・茶師 : 松尾俊一
佐賀県嬉野市は茶の栽培が古くから盛んな地域で、長い歴史を持っています。釜炒り製玉緑茶は15世紀頃に中国から伝わった製法で、九州地方を中心に広がりました。一般的な蒸し製緑茶とは異なり、生葉を釜で炒ることで作られます。釜香と呼ばれる独特の香ばしい香りがあることと、茶葉が勾玉のように丸みを帯びた形状をしていることが特徴です。今回取材した松尾さんが行っているのは、伝統的な手揉み製法の嬉野古式釜炒り茶です。
かつては日本茶の主な製法だった手揉みの釜炒り茶ですが、機械化が進んだことや大量生産に向かないことから生産が減少し、現在ではほとんどが蒸し製緑茶になりました。嬉野でもこの伝統的な製法を守り続けているのは松尾さんをはじめ、数名となっています。
Tea Farmer / Tea Master : Shunichi Matsuo
Ureshino City in Saga Prefecture is a region with a long history of tea cultivation, which has been thriving since ancient times. Kamairi Tamaryokucha, a type of pan-fired green tea, was introduced from China around the 15th century and spread primarily throughout the Kyushu region. Unlike the more common steamed green tea...